はじめに
ここでは、『廃深』をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※ストーリーの核心部分への言及はありませんが、クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です
本作はqureateから発売されたホラーゲームで、廃墟となったホテルに肝試し配信をするため来た女性配信者3名が、ホテル内で謎の着ぐるみに追われたり様々な怪奇現象に見舞われるという作品となっています。
露骨なサービスシーン満載のエログロなテイストなのが特徴です。
ゲーム概要
ストーリー
N県堵替塚市にある「ホテル イザナミ」。
かつてこのホテルは、近くにあったテーマパークの盛況とともに繁盛していたが、パークの閉鎖や立地上の不便さなど悪い要因が重なり、15年前に閉鎖。
借金苦に陥ったホテルのオーナーは、一人娘と無理心中をするという悲惨な末路を辿る。
その後ホテルは取り壊しになる予定だったが、立ち入った解体業者が次々と不慮の事故に見舞われるという異常事態が続き、取り壊しは頓挫。
結局そのまま廃墟として放置されることになり、ホテルは死んだオーナーの亡霊がさまよう心霊スポットとして知られるようになった。
そして現在。
そのいわくつきのスポットに目をつけた桜井奈々は、友人の生駒美桜と白石梓を連れてホテル内での動画撮影を敢行。
しかし、ホテルには鉈を持った謎の着ぐるみが待ち構えており・・・。
本作の特徴
横スクロール型ホラー
本作は横スクロールで展開されるホラーゲームとなっている。
プレイヤーは配信者としてこのホテルを訪れた生駒美桜・桜井奈々・白石梓の3名を操作し、ホテル内を探索していく。
3名は一度に操作するわけではなく、任意の1名を選んで操作。
操作キャラはいつでも変更可能で、キャラごとの性能差はない。
ホテル内は暗いため視界が悪く、スマホのライトを光源にしてオブジェクトを調べたりアイテムを回収していく。
アイテムや調べられる箇所がある場合、キャラの頭上に「?マーク」が表示され、?が青くなると目の前にアイテムor調査箇所があることを示す。
探索においてはこの?マークを頼りにアイテムを収集していく。
襲い来る着ぐるみからの逃走
本作の根幹をなすといっていい要素。
ホテル内では鉈を持った豚の着ぐるみが3人に襲いかかる。
着ぐるみへの反撃手段は皆無であり、ある程度の接近を許すと鉈を振るわれゲームオーバー。
そのため、見つかった場合はどこかに隠れてやり過ごす他ない。
隠れられる場所は客室にあるトイレの中か廊下にある柱の裏側の2つ。
どちらもホテル内に数多く点在しているので、隠れる場所には困らないだろう。
そこでやり過ごすと着ぐるみは追跡を解除していなくなる。
小ネタ
前述の通り、本作では着ぐるみに対する反撃手段はないが、攻撃を回避すること自体は可能。
着ぐるみは動きが鈍重で攻撃モーションも遅いため、攻撃の瞬間に距離を取れば問題なく避けられる。
また、着ぐるみは鉈を振り下ろした後必ず鉈を振り上げる行動をとるが、この際後ろにのけ反り隙ができる。
その隙を晒している最中のみすり抜けが可能で、着ぐるみが来た方向に行きたい場合は、
①近づいて攻撃を誘発させる
②回避する
③振り上げて後ろにのけ反っているところをすり抜ける
という手順を踏めば進みたい方向に進める。
ただし、振り下ろした後もまだ攻撃判定が残っているため、攻撃を避けたからといってすぐすり抜けようとするとゲームオーバーになる可能性がある。
避けること自体は難しくないが、すり抜けるタイミングは若干慣れが必要。
謎のエロ要素
ある意味での目玉要素。
本作では要所要所に操作キャラ3名のサービスシーンがある。
ただ、サービスシーンとは言ってもストーリーを進めるには不可避のものであり、なおかつ状況的には
・髪の毛に縛られていてどうにかしなければ絞め殺される
・放水の止まらない浴室に閉じ込められ、早く脱出しなければ溺死
・鍵のかかった部屋で棚が倒れてきて押し潰されそうになってしまい、対処できなければ圧死
というように逼迫したものが多く、上手く乗り切らないとゲームオーバー。
そのためサービスだのなんだの言ってられない状況なのだが、なぜかこの時彼女達をタッチすることができ、タッチすると恥ずかしそうに顔を赤らめる。
ちょっとしたバカゲーを彷彿とさせる要素ではあるが、露骨でチープな感じがいかにもなB級っぽさを演出しており、一見の価値はあるだろう。
感想
良かった点
過度なビックリ要素なしのホラー
本作は、ホラーのテイストとしては突然物が落ちてビビらせるというよりも、基本的には雰囲気で怖がらせるという趣が強いです。
一応ビックリ演出もなくはないですが、数える程度しかありません。
怖いというよりただ驚かせることだけに終始しているホラーとは全く違うので、そういうのが苦手でビビりな自分でも最後までプレイできました。
こういう系統のホラーゲームはもっと増えてほしいですね。
着ぐるみの神出鬼没感
着ぐるみは神出鬼没で客室廊下関係なくどこにでも出現します。
ゲームの仕様的にもまさに神出鬼没、というかどうやら巡回ではなくテレポートしているようで、1階の廊下で撒いたかと思ったら2階奥の客室で遭遇するなんてことは日常茶飯事です。
そのため、プレイ中はどこから着ぐるみが来るのか分からないという一定の緊張感がありました。
突然鉢合わせてしまい死亡なんてことも結構あります。
人によっては理不尽だと思う部分かもしれませんが、自分的には割と嫌いではなく面白かったですね。
というより、本作は着ぐるみへの対処法が分かると難易度が一変するので、こういう理不尽な部分はむしろ必要だったのかなと思います。
悪かった点
基本走れない
敵に追われている場合を除き、本作では走ることができません。
移動は徒歩が基本になります。というか平常時は徒歩以外不可能。
そんなわけなので、移動に関しては割とストレスを感じながらのプレイでした。
まぁ逆に言えば、「走れる=着ぐるみが追ってきている」ということをプレイヤーに示してくれるので、こういう仕様なのも致し方ない所ではあります。
とは言え、何なら「走りたいから着ぐるみ来てくれ」と思ったことは一度や二度ではありませんでしたね。
というか上でも似たようなことを述べましたが、着ぐるみは対処法を理解すると脅威度がかなり下がるので、そうなった後に出てきてくれると「やったこれで走れるじゃん!」って感じで本当にありがたかったです。
プレイした方で自分と同じようなことを思った方は多いのではないでしょうか。
アイテム収集がだるい
部屋や廊下に落ちているアイテムは見つけられればいつでも拾えるわけではなく、中にはストーリーが進行しないと拾えないものもあります。
というかこのゲームではそういったアイテムが結構多いです。
そのため、一度調べた部屋でも再度調べ直さないといけないケースが往々にしてあり、なかなか骨が折れました。
アイテムの視認性が悪いだけに余計大変だったように思います。
探索箇所が割合少なめなのが救いではあるものの、その分同じところを何度も探索させられるので、合わない人には合わないゲーム性なのかなと。
あと、本作にはヒント機能のような救済措置はなく、ストーリー上での会話をちゃんと聞いていないとヒントどころか次に何をすべきか分からなくなる可能性すらあります。
もし分からなくなったとしても、探索できる場所を総当たりすれば一応なんとかなりますが、当然ながらめんどくさいです。
難易度は高い部類に入るので、いざという時は攻略サイトに頼ってもいいかと。
ありきたりなストーリーと演出
ストーリー自体は良く言えばオーソドックス、悪く言えばありきたりです。
最初から最後まで特に期待が裏切られることも予想を上回ることもありませんでした。
ホラー演出もお約束をしっかり踏襲するので先読みしやすく、怖いに対する準備ができてしまうのがちょっと残念。
決して中身がないわけではないんですが、このゲームは女の子達が着ぐるみに追われる様子やエッチなひどい目に遭う様を見て楽しむ感じの作品なので、あまり物語性を求めない方がいいかと。
詰みポイントor詰みセーブがある
最近のゲームにしては珍しい(?)と思った点。
本作では、下手をすると手詰まりでリセットしなければならないポイントや、俗に言う「詰みセーブ」になってしまう箇所が存在します。
そういったものは自分が気づいたのだけでも二つありました。
特に序盤の「美桜が排水溝から出てきた髪の毛に拘束される」場面では、事前にハサミを見つけてない状態でこのイベントを発生させると、髪の毛に絞め殺されるしかなく詰んでしまいます。
本作にはリトライやチェックポイントといったシステムがなく、ゲームオーバーになったら直前のセーブデータからやり直しのため、ここまでノーセーブで進めてゲームオーバーになると、文字通り「最初からやり直し」です。
実際自分もハサミを持ってなくてゲームオーバーになったんですが、事前にセーブしておいたのでなんとか最初からにはならずに済みました。
探索はほぼ一からやり直しでしたが・・・。
他だと遭遇したのは、中盤の「梓が防火シャッターに足を挟まれ動けなくなった」場面。
ここでは梓を助けるためにシャッターを動かす必要がありますが、その前にまずシャッターを動かすためのアイテムを見つけてこなければなりません。
が、そのアイテムは(とある部屋にあるオブジェクトの説明をよく見ていないと)分かりづらい場所にあり、初見だと見つけるのに結構苦労します。
にもかかわらず、この救出イベントには事実上の時間制限があり、見つけるのに手間取ってしまうと梓が着ぐるみに殺されてゲームオーバーに。
アイテムを見つけて梓の所に持って行けても、時間切れの場合は残念ながらゲームオーバーです。
という感じで、もしこのイベントで下手なタイミング―例えばアイテムを持って行けたとしても既に時間切れの場合―でセーブしてしまうと、完全に詰んでしまいます。
セーブデータを複数用意していればリカバリー可能ですが、そうでない場合は・・・。
自分もここで一度ゲームオーバーになったんですが、セーブデータを3つ用意していたのでなんとかリカバリーできました。このイベント以降は4つ追加して7つ体制にしましたが。
なのでもし本作をプレイする場合、セーブデータは複数用意しておくに越したことはありません。むしろ推奨です。
※セーブスロットは最大10個
今の時代にプレイヤーがこうやって自衛しなければならない仕様なのは正直いかがなものかと思いますね。
昔のゲームならまだしもこのゲーム2021年の作品ですし、チェックポイント的なものがあってもよかったんじゃないかな・・・。
おわりに
以上、『廃深』のクリア後レビューでした。
敵に追われながら探索するタイプのホラーです。
グロ要素はほとんどなく(あってもかなりぼかされる)、エロも露骨ではありますが過激ではなく下品というわけでもないので、意外とそんなに癖はありませんでした。
まぁテイストとしては明らかに男性向けのゲームではありますが・・・。
また、ボリュームに関してはやや控えめです。全要素をコンプしても7、8時間程度で終わります。
ただ、良くも悪くも探索が多いゲームなので、ちょっと控えめなぐらいなのがちょうどいいのかなと。