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『ICEY』クリア後感想 メタ要素全開の2Dアクション/アクション部分は理不尽感あり

画像出典:My Nintendo Store

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はじめに

ここでは、『ICEY』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※ネタバレはほぼありません

本作は2016年にFantablade Networkが開発/X.D. Networkが発売したゲームで、ICEYという女性型アンドロイドを操作して、ユダという世界を滅ぼした元凶を倒す横スクロールアクションとなっています。

インディーズゲーながら累計売上本数が全世界で200万超えというスマッシュヒットを記録している化け物作品です。

メタ要素をふんだんにぶっ込んだナレーションが随所に挿入されるのも特徴。

かなり独特なゲームと言えます。

ということで以下概要と感想を。

ゲーム概要

ストーリー

舞台は謎の存在ユダによって滅びを迎えた世界。

とある施設で目覚めたアンドロイド「ICEY」は、ただユダを抹殺するという使命だけを胸に戦いに身を投じる。

本作の特徴

ハイスピードな横スクロールアクション

本作はICEYを操作して迫りくるロボット達と戦う2Dの横スクロールアクションとなっている。

近接偏重の攻撃性能

ICEYはアンドロイドながら銃火器や特殊な兵器を一切用いず、攻撃手段は剣一つのみという近接特化型

敵に接近して切り刻むというインファイトな抜刀スタイルが特徴となっている。

攻撃パターンは大きく分けて以下の2つ。

・威力は低いが発生が早い弱攻撃

・発生は遅いが威力が高い強攻撃

戦闘ではこれらを軸に戦う。

弱攻撃と強攻撃はコンボで織り交ぜることができ、また、戦闘で入手した資金を使えば新たなコンボを習得可能

習得はセーブポイントでのみ可能だが、習得だけでなく他にもコンボ火力を上げたり、HPの上限を上げたりすることもできる。

高性能なダッシュ

近接特化で飛び道具は持たないためリーチは短いが、その代わり機動力が極めて高く、ラスボス含めゲーム中において最速を誇る。

機動力の高さを支えるのはダッシュ

Rボタンで上下左右斜めの8方向に瞬間的に移動でき、単純な移動手段から敵との間合い調節まで幅広く使っていける。

また、ダッシュ中は敵をすり抜けることも可能

戦闘は対集団戦が基本でポジショニングが重要になるので、すり抜け用途でダッシュする場面は多い。

さらに、敵の攻撃が当たる直前にダッシュするとカウンターが発動。一定時間スローモーションになり、時間内にAを入力することで大ダメージを与えられる。

※カウンターが小型の雑魚に決まった場合は一撃必殺

というように汎用性/利便性に優れているが、ダメ押しと言わんばかりにダッシュは全ての行動をキャンセル可能

そのため、あらゆる行動からダッシュを使うことができ、攻撃→ダッシュ→攻撃→ダッシュ→…というようにスピーディな戦闘を可能にしている。

至れり尽くせりな性能だが、1回使うごとに専用のゲージを一つ消費するため(初期3つ、強化すると5つになる)、乱発はできない。

バリア

本作ではHPに加えバリアという概念が存在する。

バリアはボタン操作なしで自動的に展開。

展開中はダメージ軽減のけぞり無効の2つの機能があり、なかなかの高性能。

だがバリアには耐久値があり(左上の黄色いマークがそれ)、これが0になるとそれらの機能が消失。

再度バリアを使うには自動回復を待つか後述のコア攻撃で回復しなければならない。

ICEYにはダウンによる無敵時間がほとんどなくガードもできないため、バリア頼りな面が強く、いかにバリアを維持できるかが難易度を左右する。

コア攻撃と結晶

本作では回復アイテムがなく、回復手段はコア攻撃のみとなっている。

コア攻撃は敵を瀕死にすることで可能。瀕死の敵に近づきAを押すことでトドメを刺し、それと同時にHPとバリアの耐久値を回復する。

瀕死の敵にボタンが表示
入力するとコア攻撃

※スクショが少し早かったので上の画像だとバリアの耐久値は回復してないが、コア攻撃を決めると耐久値は全回復する

また、この方法で撃破した場合、一定時間周囲に結晶が出現。

この結晶はY長押しで集めることができ、集めた状態でYを離すと画面の敵全体に結晶の数に応じたダメージが与えられる。

リーチの短いICEYにとって有用かつ貴重なロングレンジ攻撃となる。

メタ全開のナレーション

本作を象徴する要素

ICEYの横には常に小型機械のナビゲーターが帯同し、進むべきルートをナビゲーションしてくれる。

※CVは下野紘氏

が、このナビゲーションは必ずしも聞く必要はなく、ルートを逸れて思い思いの方向に進むことも可能。

そうするとナビゲーターがメタ全開のツッコミを開始し、指示を無視すればするほどヒートアップしていく。

例としては以下の通り。

ICEYはゲーム中一切声を発さないため、下野氏迫真のツッコミボイスが一層映える。

感想

良かった点

真面目なアクション部分とコミカルの同居

概要でも述べたように、このゲームはれっきとした2Dアクションですが、そこにコミカルなメタネタ要素がふんだんに詰め込まれており、独自のテイストを楽しめます

アクション部分が大真面目なだけに余計コミカルさが際立ってます。

この点は人によりけりだと思いますが、自分は面白く感じましたね。

進めていくともはや「矢印」の二文字だけで笑えてきます。

ただ、良くも悪くもこういったメタ要素が魅力の大半を占めているので、これを好きになれないと満足度は低くなってしまうのかなと。

無骨なハイスピードアクション

このゲームのアクションはハイスピードかつ無骨です。

動かしている分には気持ちいいですが、敵が基本硬い上に攻撃力が高いと全体的に強めなので、考えなしに攻撃していると雑魚にすらハメられて死にます

難易度的には割と高い部類に入るかと。死にゲーの側面がやや強いです。

「ICEYは機動性に優れるが脆い/敵は素早くないが硬い」という前提を踏まえて攻略していく必要があります。

自分の場合、機動力を攻撃にではなく回避メインに使うという意識で行くと割とすんなりクリアできました。

爽快感は得づらいものの、達成感は結構あったので自分は好きなタイプのゲームでしたね。この辺も人によりけりだと思いますが。

悪かった点

特定分野の知識がないと難解なストーリー

メタ全開のテイストがこのゲーム最大のセールスポイントですが、その裏にはちゃんとしたストーリーが存在します。

が、このストーリーがかなり、というか滅茶苦茶難しいです。

多少ネタバレになってしまいますが、ストーリーはクトゥルフ神話の設定をモチーフにしたものになっており、クトゥルフ関連の知識がないと正直言って楽しめません

関連用語は当然のように出てきます。もちろん補足説明はなし。

なのでクトゥルフ知識はせいぜい『這いよれ!ニャル子さん』で知った程度のものしかない自分にとっては、まぁ~難しかったですね。

考察サイトを見ても「・・・」でしたし。

難解なのはまだしも特定の分野に関する知識がないと十分に楽しめないというのは止めて欲しかったです。

アクション部分の不満

無骨な難易度の本作ですが、アクション部分は荒削りな部分が目立ちます。

まずは雑魚がとにかく怯みづらい

小型は気持ち怯みますが中型以降の雑魚は基本ほとんど怯みません。

その一方でICEYは、バリアが剥がれるとちょっとの攻撃ですぐダウンので、理不尽感が強いです。

無駄に吹っ飛ぶのも地味にストレス

というかこのバリアの耐久値が低いのも考えもの。

一応強化自体はできますが、先に進んでいくごとに敵の攻撃が苛烈になっていくので、耐久値を上げても強くなった感じはほとんどありません。

こっちの耐久強化を向こうの手数が常に上回ってくるイメージ。

あと敵によっては一発でバリアを剥す攻撃をしてくる奴もそこそこおり、こっちが注意を払っていても一撃食らえばアウトというのがまた理不尽さを加速させます。

何のためのバリアだよって感じ。

それと理不尽さという点で言えば、予兆演出の意味のなさも見逃せない。

一部の敵には危険な攻撃(先ほど述べたバリアを一発で剥す攻撃など)をしてくる前に予兆として赤いマークが表示されるんですが、これがかなり短いです。

大体1秒あるかないか。

画面中央左寄りの赤い!マークが予兆

なので見てから回避が間に合わないことが往々にしてあります。もっと余裕をもって表示してくださいよ・・・。

これじゃ演出としてはあってないようなもので、あまりプレイヤーの助けになっているとは言えません。上手い人は予兆があろうがなかろうが避けるだろうし。

という具合にアクション面の不満は多いです。

が、良かった点でも書いたようにクリアした時の達成感は結構あって個人的には楽しめた方なので、だからこそこういった不満が目についたという感じですね。

おわりに

以上、『ICEY』のクリア後レビューでした。

とにかくメタ全開の2Dアクションというのが全てのゲームです。

そのため、メタネタかアクションのどちらかを楽しめないとおそらく満足度はガクッと下がるでしょう。

また、ボリュームに関しては定価1000円という点から察せるように、全ての実績を解除しても大体4~5時間程度で終わります。

速い人ならおそらく3時間ぐらいで終わるんじゃないかと。

これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれだと思いますが、これ以上長引くと理不尽感がどんどん加速していきそうな気がするので、個人的には妥当なボリュームかなと思いましたね。

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