はじめに
ここでは、『探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.7「音成刑事の捜査メモ」』をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※ストーリーの核心部分のネタバレこそありませんが、クリア後の観点から書いているのでややネタバレ注意です
本作は、癸生川シリーズ7作目にあたる作品で、準レギュラーである音成刑事を主人公に据えた物語が展開されます。
そのため、ナンバリングこそ付いてますが、事実上の番外編です。
また、時系列的にも一作目よりも前にあたるので、懐かしいキャラやロケーションの登場に、シリーズファンならニヤリとすることも。
ということで、早速概要から。
ゲーム概要
ストーリー
一作目より3か月前。
交番勤務をしていた音成のもとに、飼い主とはぐれてしまった迷子のチワワが半ば強引に預けられる。
チワワの名前はチャッピー。
不本意ではあったが、音成はチャッピーの飼い主を探して聞き込みを開始する。
だがその過程で、音成達はとあるホテルで起こった殺人事件に遭遇してしまい・・・。
本作の特徴
音成を主人公とした外伝的ストーリー
本作の主人公は、癸生川達とそれなりに親しい刑事の音成。
その彼の過去を描いたストーリーとなっている。
全編を通して癸生川ら探偵事務所の面々は一切登場せず、外伝的な側面が強い。
そのため、今作から始めても楽しめはするものの、どちらかと言えばシリーズファン向けと言える。
音成とチワワの視点切り替え
前作の『対交錯事件』と同様、今作においてもキャラの視点を切り替えながらゲームを進めていくスタイルとなっている。
ただ、切り替える対象が「人と犬の2キャラ」というのが面白いところ。
基本的には音成視点で進めていくが、場合によっては適宜チワワのチャッピーに切り替え、事件解決に必要な情報を集めていく。
感想
良かった点
シリーズファンならニヤリとできる
概要の方でも書きましたが、今作は時系列が過去+外伝的側面が強く、ファンサービス的な場面がチラホラありました。
6作目の『対交錯事件』で登場した港公園や、3作目『死者の楽園』の舞台であるシャングリラ、シャングリラのマスコットのロッキーなど、ファンならニヤリとできる要素があり、ちょっと懐かしい気分になれます。
ですがニヤリとできずとも、ストーリーの理解には何の支障もないので、本当に単なるファンサービスの域を出ていないのはよかったですね。
悪かった点
1時間以内でクリアできてしまうボリューム
一番いただけなかった点。
今作は外伝的な側面が強いとはいえ、1時間もかからずクリアできてしまったのは流石に物足りなかったです。
ボリュームに対して推理要素がそこそこあるので、その点は頑張ってると思うんですが、それだけに余計残念ではありました。
値段の方も、他のシリーズ作品と変わらず500円ですからね。
元が安いとは言っても、これで据え置き価格なのはちょっと納得いかないかなと。
犬ならではの操作感に乏しい
音成とチワワのチャッピーの視点を切り替えながら進めていくのが特徴の今作ですが、チャッピー側の操作に犬ならではの要素がほとんどないのも気になりました。
チャッピー側でできるのは、音成と同様に辺りを見回すことと、匂いを嗅ぐ、爪を研ぐぐらいしかありません。
しかも「嗅ぐ」と「研ぐ」はごく一部の場面でしかできないので、実質できることが人間の音成と大差なかったのはシンプルに残念でした。
「見回す」も、チャッピーが見て思ったことではなく、「チャッピーが見回している様子を見た音成が何かしらのリアクションをする」でしかないですからね。
まぁ癸生川シリーズは、動物の心情が台詞で出てくるとかそんなファンシーな作品ではないので、これは仕方ない部分ではありますが。
個人的には、視点切り替えは無理に導入しなくてもよかったんじゃないかと思います。
おわりに
以上、『探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.7「音成刑事の捜査メモ」』のクリア後レビューでした。
ただ単純に物足りなかったというのが率直な感想です。
プレイ開始からこの記事を書き終わるまでかかった時間が2時間程度ですからね。まぁそういう意味では楽でよかったですけど
他の癸生川の記事でもちょいちょい似たようなこと書いてますが、やっぱりこのシリーズは2時間ぐらいのボリュームが欲しいかなと。