サイトアイコン 徒然なるままにゲーム誌

『The Park』クリア後感想 息子を探して遊園地を歩き回るホラーゲーム/短い上にストーリーは難解【ネタバレあり】

画像出典:My Nintendo Store

スポンサーリンク

はじめに

ここでは、『The Park』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です

本作はFuncomというノルウェーの開発スタジオが手掛けたゲームで、夜の遊園地で失踪した息子を追って母親を操作して歩き回るホラーとなっています。

ゲーム概要

ストーリー 

息子のカラムとともに、「アトランティック・アイランド・パーク」という遊園地を訪れたロレイン。

ひとしきり遊んだ後、遊園地を出て帰り支度をしていたロレインであったが、持っていたテディベアを遊園地に忘れた息子が園内へと入っていってしまう。

自身も息子を追って遊園地に入ると突如目の前が暗転。

そして気がつくといつの間にか辺り一面は夜になっていた。

異様な事態に戸惑いつつも、ロレインは息子を連れ帰るべく歩き始めるのであった。

本作の特徴

遊園地を歩くだけのホラーADV

本作は遊園地に消えた息子を見つけるべく歩き回るというホラーアドベンチャーとなっている。

ただ、ホラーといっても戦闘やスニーキングといったアクション要素は皆無で、パズルや謎解き要素すらない。

プレイヤーができることは

・歩く/走る

・特定のオブジェクトを調べる

ことのみ。

そのため、文字通り「ただ歩き回ること」がメインのウォーキングシミュレーターという側面が強い。

とにかく息子を探して歩き回ること、ゲーム部分はこの一点に尽きる。

そうして息子を捜索しているうちに、新聞記事やメモ書きなどで遊園地の設立過程や過去に起こった事件が明らかになり、またロレイン自身の過去も少しずつ紐解かれていく。

面白さ的には息子の捜索よりもむしろこちらの方がメイン

感想

良かった点

主人公の声優の演技が上手い

このゲームの数少ない長所。

主人公の声優さんの演技は上手です。

吹き替えがないので英語版しかないんですが、情緒不安定というか一言で言うなら病んでて、内心息子のことをかなり煙たがっているものの、なんだかんだ心配で必死に探し回るという人間臭い感じがよく出ていました。

いいところはそれぐらいかなぁ・・・。

悪かった点

難解なストーリー

ストーリーはホラーにありがちな「作中起こった事実や結末を徹底的にぼかす」スタイルです。なのでとにかく難解。

とりわけ舞台設定すら曖昧といった具合で、ゲームの舞台となるこの遊園地、道中閲覧できる新聞記事やメモを信用するのであれば、ゲーム開始時点で既に閉鎖されています。

なのに入場口にはスタッフがいるわ電気設備はちゃんと稼働しているわで意味不明です。この時点で現実じゃないんだなというのが分かります。

それプラス主人公は、精神的・肉体的に疲弊してて薬に頼りまくっていた過去が明らかになるため、作中での出来事の大半は主人公の妄想、夢、回想のようなものと思われます。

印象としては妄想と回想がごっちゃになってて主人公本人もよく分かってない感じ。

ってな風に分かりづらい内容なんですが、得られる情報をもとにストーリーの流れをまとめると、

①遊園地に息子と遊びに行ってそこで息子が失踪した

→まず出だしからして妄想/前述の通り遊園地はすでに閉鎖されている

②その後の遊園地での体験と息子に対する複雑な感情の吐露

→前者は妄想だが後者は本音

③後半のお化け屋敷での体験と過去の回想

→お化け屋敷での体験は妄想だがそこでの回想は(一部妄想も混じっているが)おそらく本当

④回想し終わった後お化け屋敷の奥で息子を発見するが、自らの手で殺してしまう

→これは本当(今まで息子を殺した事実から逃げていたがようやく向き合ったor思い出した)

⑤場面が変わり、警察(?)で息子の行方を聞かれてエンディング

→ここだけは現実(①から④は警察署内で妄想&回想している?)

という感じなんじゃないかと。

また、なぜ遊園地が物語の舞台になっているのかについては

・亡き恋人(息子の父親)がここで働き、ここで事故死したから

・この遊園地は息子が生まれた日に開園したから

・その良くも悪くも因縁のある遊園地に息子の死体を遺棄したから

なのかなと思ってます。

以上を踏まえて考えると、「息子を殺して遺棄した事実から逃げていた(あるいは本当に忘れていた)主人公が、そのことに向き合うまでの物語」

というのが自分の解釈です。

とまぁフワフワな感じでまとめてみたんですが、調べてみるとこのゲーム、『The Secret World』というMMO(日本語未対応)と繋がりがあるらしく、そっちをプレイしてないと理解できない部分もあるとのこと。

ただでさえ難解な話なのにそういうのはどうなんでしょうね・・・。

それと本作はFANDOMというwikiみたいなサイトでかなり熱心な解説or考察がなされています。

英語版しかないので全容は把握してないんですが、ちょろっと見た限りだと「なるほど」というよりも「このゲームだけでそこまで読み取れるわけないだろ!」って感じでした。

プレイ時間よりも内容把握や考察の方が遥かに時間かかりそうです。

圧倒的ボリューム不足

ゲームプレイの半分はお化け屋敷

本作は概要でも述べた通り、歩き回って進めるタイプのウォーキングシミュレーターであるため、ボリュームは少ないです。

誰がどれだけのんびりやっても2時間程度で終わります。

遊園地自体が小さいのもボリューム不足に拍車をかけてる印象。

自分はこのゲームを500円で買いましたが、その額に見合うプレイ体験はお世辞にもできたとは言い難いです。なお定価は1000円の模様。

ぶっちゃけその辺のB級ホラーを500円で何本か借りた方が有意義なまでありますね。

移動が遅い

室内は走ることすらできない

前述の通り移動がメインになるゲームですが、その割に移動スピードは遅いです。

「歩く」は言わずもがな「走る」も全力疾走というよりも気持ち小走りという感じで、移動中は大分ストレスでした。

真剣に息子探す気あるんでしょうか?

まぁ早く走れるとその分早く終わっちゃうので仕方ないのかもしれません。・・・ほんとにそうか?(自問自答)

ホラー・・・?

本作は分類上ホラーではあるんですが、ぶっちゃけ怖い要素がありません。

あるとすれば、洋物ホラー特有のビックリ演出が数回+変な怪物(ブギーマンというらしい)が出てくるぐらいです。

背筋が凍るとか肝が冷えるとかはなく、正直肩透かしでしたね。・・・いや強がりとかではないですよ?

まぁ後半になると入れるお化け屋敷はいかにもな雰囲気があって、「お、いよいよきたか」と思ってしまいますが、ビックリ演出が3回ぐらいあって終了という。

おどろおどろしい感じは出ているものの、終わってみれば出てるだけでしたね。率直に言うなら出来の悪いP.T.という印象です。

おわりに

以上、『The Park』のクリア後レビューでした。

ゲーム性は単調・ストーリーは難解・ホラーとしての恐怖感は薄いという感じで完成度は低いです。

せめて演出が怖いとかある程度理解できるストーリーとかならマシだったんですが。良くも悪くも余韻がないのが残念。

ホラーゲームは当たりハズレが激しいジャンルですが、個人的にこのゲームは結構なハズレでしたね。

モバイルバージョンを終了