はじめに
ここではバイオハザードRE:3をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です
本作は1999年に発売されたバイオハザード3のリメイク版で、ウィルスに侵された街からの脱出を描くサバイバルホラーです。
なお、分かりやすさを重視し、元のバイオ3はオリジナル版、リメイクであるRE:3は本作と呼称しています。
ゲーム概要
ストーリー
(大筋はオリジナル版と同様)
洋館事件の元凶であるアンブレラを告発すべく証拠集めに奔走していたジルだが、これを疎ましがった署から自宅謹慎を言い渡され、身動きが取れなくなっていた。
監視の人間も付き、ストレスから睡眠薬に頼る生活が続いていた矢先、自宅に謎の大男が襲来する。
命からがら逃げるジル。
なんとか逃げ切り安堵したのも束の間、ジルの目に飛び込んできたのは、ウィルスのアウトブレイクによってゾンビが蔓延り、人々がなす術もなく逃げ惑う地獄のような光景だった。
このままでは危ない。
この惨劇から生き延びるため、ジルは死の街と化したラクーンシティからの脱出を開始するのだった。
本作の特徴
現行ハードでリメイク
上述の通り、本作は1999年発売の「バイオハザード3 LAST ESCAPE」を現行機でリメイクしたものとなっており、登場キャラやネメシス、ラクーンシティの景観など全てが美麗になって蘇っている。
が、一口にリメイクと言ってもマップやストーリー展開は本作独自の色が強く、特にストーリーの展開はプロローグからジルが突如ネメシスに襲われるというプレイヤーの度肝を抜く始まりとなっている。
そのためオリジナル版をプレイしたことがあるプレイヤーは、そういった違いを楽しむこともまた一興だろう。
ステップと緊急回避
本作ではR1+方向キー左でステップが可能。
回避の他、ちょっと距離を取りたい時などに便利。
また、敵の攻撃直前にステップすると緊急回避という固有アクションが発生し、敵の攻撃を無傷で掻い潜ることができる。
これが意図的に出せるようになると被ダメ率がグッと下がるため、感覚を掴んでおきたい。
操作キャラ
操作キャラはオリジナル版同様ジルとカルロスの二名。
操作時間の比率としてはジルを7とするなら、カルロスは3という感じでメインはジル。
二人の性能の違いとしては、
・緊急回避の挙動
→ジルはローリング
→カルロスは前方に右ストレート
・カルロスは使用武器が少ないがジルにはないアサルトライフルが使える
など。
追跡者ネメシス
本作最大の目玉。
ネメシスとは、S.T.A.R.S.という洋館事件を生き延びた警察のエリート部隊を抹殺するため、アンブレラから送り込まれた新型B.O.W.。別名追跡者。
ターゲットを認識し重火器を扱うことができるという知能の高さと、ゾンビとは一線を画す圧倒的な膂力が特徴。
前作RE:2のタイラント同様非常にタフで、通常兵器では倒せず遭遇したら基本逃げるしかないが、
・本作は屋外での行動が多いため、追われてもスペースを広く使って逃げられる
・いざとなったら緊急回避という防衛手段がある
と追われる恐怖こそあるものの、やり過ごすこと自体は決して難しくない。
ただし、追跡中は(オリジナル版さながらに)走って距離を詰めてくる上、セーブポイントに逃げ込んでも時間経過で撤退はせず周辺で待機しているため、前作での安定行動が通用しない部分もある。
というように対処しやすくなった面もあるが、同時に潰された対処法もあるので注意が必要。
整理された時系列
本作は、9/28から10/1までの出来事を時系列に沿って進む形となっている。
場面が転換するごとに場所と日付が表示されるため、オリジナル版と比べどこで何が起こっていたのか分かりやすい。
特にカルロスパートでは実際に警察署に赴くので、RE:2をプレイしていれば前後関係がより分かりやすく感じられるだろう。
感想
良かった点
キャラデザ
本作で一番よかったと思う点です。
ジルは正直プレイ前はなんだかなーって感じでしたが、実機でプレイしてみるとかなり綺麗で驚きました。
いやいや滅茶苦茶美人じゃんと。
上手くは表現できないですが、どことなく可憐さが残る過去作ジルと比べて、本作のジルは凛々しく綺麗な女性という印象です。
個人的にジルはバイオ5の頃が一番好きですが、本作のジルも負けず劣らずいいですね。
一方カルロスは爽やかで陽気な感じから一転、ワイルドでややクールなイケメンへと別人レベルの変貌を遂げました。
初見では「誰だお前」となること必至。
性格もオリジナル版と比べると落ち着きがあり、ピンチにも取り乱さず冷静に対処しますが、根っこは変わらず情に厚い熱血漢のままです。
ただそのせいか弱気になることがなく、ジルの喝入れビンタがなかったのはちょっと残念。
まぁそもそも本作はステージの減少により、ジルとカルロスが会う機会が減っているので仕方ないところもありますが・・・。
でもカルロスは断トツで本作の方が好きですね。
悪かった点
物足りないボリューム
一番残念だった点です。
オリジナルの方もなかなかにボリューム不足でしたが、本作はそれ以上に不足しています。
というのも、
・公園や時計塔など一部ステージが削除
→単純に探索できるマップが減少
・謎解きが簡単になっている
・ライブセレクション不採用
の三つが原因として大きく、このため探索に時間がかかったり道中詰まったりすることがほぼありません。
なので、終わってみるとなんだかあっさりしてたなぁという感じでした。
特に、個人的にはライブセレクション(ピンチの際に二択を迫られ選んだ方にルート分岐)がなくなっていたのが残念。
あの「選択の結果が良くも悪くも自分に返ってくる」感じが好きだったんですが、丸々消されててしょんぼり。
というように、よく言えば水増しがなく1周で十分遊び尽くせると言えますが、ルートごとの違いを見比べるという楽しみがなく、周回のモチベが少し下がってしまうのは否めないなぁと。
ちなみに、自分のクリア時間は7時間14分、総プレイ時間は9時間ちょうどぐらいと大分遅い方でした。
下手クソプレイ&ファイルや街のオブジェクトをじっくり見てこのタイムなので、速い人は普通に5時間6時間で終わるでしょう。
ネメシスに関して
ネメシスにも不満な部分はいくつかありました。
まず追跡者として。
名前の通り追ってくるにはくるんですが、こちらが探索している最中もずっと追ってくるわけではなく、どちらかと言えばイベントの一環として追跡してくるというケースが多いです。
そのため前作のタイラントのように常に追われている感はそこまでありませんでした。
追われてる時は間違いなく怖いんですが、その恐怖感はオリジナル版の方が数段上だったなぁと。
オリジナルの方はいつ追ってくるか分からないからほんと気を抜けなかったですしね。
ただあまりにしつこいとタイラントのように、少しでも物音を立てようものならどこにいても爆速でプレイヤーのもとに急行するという、もはや恐怖を通り越して鬱陶しさすら感じるレベルになると思うので難しいところではあります。
また、デザイン面では第二形態が人型ではなく四足歩行型になってしまったのも残念でした。
オリジナル版のように、
人型の第一形態
↓
辛うじて人型ではあるものの異形化が進んでいる第二形態
↓
人型だった頃の面影が見受けられない第三形態
というような徐々に化け物化していく感じがなく、人型からいきなり化け物っぽくなっているのが流れ的にちょっと雑かなぁと思いました。
造詣自体はB.O.W.然としてて嫌いではないんですが、変異の過程をすっ飛ばしているのはあまり好きではないですね。
おわりに
色々と書きましたが、やっぱりボリューム不足が一番残念なリメイクでした。
そこだけは再現してほしくなかった・・・。
話によると、元々はRE:2とセットで出す予定だったらしいですが、RE:2のボリュームが多くなってしまったため別々になったとのこと。
その代わりなのか、本作にはRESISTANCEというオンライン専用ゲームが同梱されていますが、オンラインにあまり興味がない自分としては正直なんとも言えない気持ちです。
ぶっちゃけそれよりもっと本編を充実させてほしかったですね。