はじめに
ここでは、十三機兵防衛圏をクリアした感想をつらつらと書いていきます。
※クリア後の観点から書くのでややネタバレ注意です
ただし、物語の核心的な部分には言及していません。
ゲーム概要
ストーリー
1985年、平穏な街に突如怪獣たちが襲来した。
破壊される街。なす術もなく逃げ惑う人々。
が、この未曾有の危機に13人の高校生達が立ち上がった。
彼らは機兵という巨大なロボットを操り、怪獣に立ち向かっていく。
一体彼らは何者なのか?そして怪獣たちはどこから来てなぜ街を襲うのか?
それはこれまでの出来事を振り返れば分かるかもしれない・・・。
ゲームシステム
本作は以下の3つのモードから構成されている。
崩壊編―バトルモード。機兵を操作し怪獣たちとの最終決戦に挑む。
追想編―アドベンチャーモード。所謂ストーリーモード。
究明編―アーカイブ。これまでの出来事を振り返ったり、キャラや用語の解説が見られる。
上記の通り究明編はアーカイブなので、実質崩壊編と追想編がこのゲームのメイン。
崩壊編
シミュレーション形式で機兵を操作し、次々と出現する怪獣を倒すことが目的。
ステージ制となっており、
・敵の全滅or特定の敵の撃破で勝利
・ターミナル(防衛目標)の陥落or機兵パイロットの死亡で敗北
※機兵が大破しても敗北にはならず修復すれば戦線に復帰できるが、その間パイロットは生身で放り出されるためかなりのリスクを伴う
また、機兵は第一世代から第四世代まで計十三機存在し、
- 第一世代機―近距離型(3機)
- 第二世代機―万能型(3機)
- 第三世代機―遠距離型 (3機)
- 第四世代機―支援型(4機)
このうち6機を選んで出撃する。
選ばなかった機兵は拠点防衛に回る。
ただし、機兵パイロットには活動限界が存在し、2回出撃した時点で脳過負荷という状態になり強制的に1回出撃停止になる。
この状態になると防衛に回ることもできない。
なお、パイロットを育成すれば負荷を軽減することは可能。
脳過負荷は休息することでも回復でき、休息するとパイロット全員の負荷が完全にリセットされ、機兵の損傷も回復。
が、休息した場合、連戦ボーナスというステージスコアおよび獲得経験値のプラス補正もリセットされる。
そのため状況によってはボーナスを取るか、もしくは休息してコンディションを整えるかの選択が求められる。
追想編
・13人の主人公の過去を追体験し、最終決戦が起こるまでに何があったのか明らかにするモード。
・キャラごとに個別のストーリーがあり、13人全員のストーリーをクリアすることで物語の全容が把握できる。
・決められたフィールド内でキャラを操作して進めるアドベンチャー形式。と言っても基本はキャラ同士の会話を聞くことがメインなので、感覚的にはサウンドノベルに近い。
感想
良かった点
謎が謎を呼ぶストーリー
ストーリーはロボットやドロイド(機械人形)、タイムトラベルといったSFチックな要素が全面に押し出されているんですが、同時にミステリーの要素を多く含みます。
特にタイムトラベルというギミックがいい意味で曲者で、数十年後の未来に自分と瓜二つで名前が違う人間がいたり、現在だと仲がいい親友同士なのに未来では親子になっていたりと、同一の時間軸上では説明できないような事象が頻発します。
こういった謎の波状攻撃で序盤はモヤモヤしますが、これらにはちゃんと真相が用意されているので心配ありません。
なので、謎が次々と解けて一つの物語に収束していく時のカタルシスたるや凄まじかったです。
そんなストーリーなのでSF好きはもちろん、ミステリーや推理小説が好きという方でも間違いなく楽しめるでしょう。
妥協を許さぬ作り込み
本作を作ったのはヴァニラウェアという高品質な2Dゲームを作るのに定評のある会社なんですが、そのクオリティは本作でも遺憾なく発揮されています。
全編フルボイスなのはもちろん、2Dアニメできびきび動く操作キャラ、背景のモブもほぼ使い回しせずアニメーションで動かし、機兵や怪獣すら2Dで表現というこだわりっぷり。
手抜きな部分が最後まで微塵も感じられませんでした。
3Dでの映像表現が当たり前の今の時代、ある種異様とも言える作り込みです。
いやそういう時代だからこそ響くものがあるんだろうなーと感じます。
トロコンが簡単
人によってどう思うか分かれる部分ですが、自分は良かったと思うのでここに挙げておきます。
本作はストーリー進行で解放されるトロフィーの割合が大きく、普通にストーリーをクリアした段階でおよそ8割のトロフィーが埋まります。
効率良く進めていれば大体9割ぐらい埋まっているかと。
自分はクリア時点で8割ぐらいのコンプ率でしたが、そこから1時間しないうちにトロコンまでいけました。
ありがちなハードモードを全クリしろみたいなめんどくさいトロフィーもないので良心的です。
悪かった点
崩壊編
バトル部分の崩壊編が正直あまり熱中できませんでした。
機兵には世代ごとに特徴があるのでバランス良く編成しないといけないんですが、基本的に第三世代機と第四世代機が扱いやすいです。
特に第四世代機のインターセプター(ファンネルみたいな武装)が若干壊れ気味で、これを展開すれば自動で索敵して殲滅してくれます。
この索敵範囲もステージ全体に及ぶのでこちらが動き回る必要がありません。
火力も高く、まさに至れり尽くせりといった感じ。
一応弱点としてインターセプター自体の耐久値は低いものの、強化すれば上げられるうえにバリアをかけることもできるので、ほぼほぼ隙なく強いです。
また、中盤以降は敵が物量で圧してくることが多くなりますが、
第三世代機で弾幕を張り、
インターセプターで雑魚を殲滅しつつ、
残った怪獣を第一世代や第二世代が直接叩く
という戦法で最後までいけました。
なので、ノーマル・イージーだとシミュレーションらしく考えることがそこまで多くなかったです。
流石にハードモードはインターセプターでのゴリ押しは無理でしたが。
おわりに
緻密なストーリーと徹底して作り込まれた2Dグラフィックに終始圧倒されました。
1本のゲームとして非常にクオリティが高いです。
開発期間が6年と相当な難産だったことが伺えますが、よく世に出てきてくれたと思わずにはいられません。
ちなみに、本当は結末までネタバレを書くつもりだったんですが、如何せん複雑な物語なので自分の技量ではまとめきれず断念しました。
結末を知りたかった方、いたら大変申し訳ありません。
もし未プレイでこの記事を見ている方がいれば、是非ともやっていただきたいです。
声を大にしておすすめできるゲームなので。