『探偵神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』クリア後感想 オムニバス形式で楽しめる推理ADV/なおUIは・・・

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画像出典:My Nintendo Store
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はじめに

ここでは、『探偵神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です

本作は、過去配信されたシナリオをHDでフルリメイクし、そこに新規エピソード3篇を加えたオムニバス形式のアドベンチャーゲームとなっています。

ゲーム概要

本作の特徴

王道のコマンド選択型ADV

本作は王道のコマンド選択型アドベンチャー。

「調べる」「話す」「推理する」などのコマンドを使いつつストーリーを進めていくというオーソドックスなスタイルとなっている。

また、ゲームオーバーという概念はなく、仮に詰まっても総当たりで選択すれば必ず先に進めるようになっているため、途中分からなくても根気さえあればクリア可能。

オムニバス形式のシナリオ

本作は一つの事件を追うというシナリオではなく、独立したシナリオ全14篇から構成されている。

独立と表現した通り、各シナリオには連続性や繋がりはなく単体で物語が完結しているため、どこからプレイしても全く問題ない

もし神宮寺シリーズを未プレイという場合でも、主要キャラである

神宮寺三郎―シリーズの主人公で探偵。

御苑洋子―神宮寺の助手。

熊野参造―神宮寺達と親しい刑事。通称熊さん。

の3名さえ覚えておけば特に支障もなくゲームに入っていけるだろう。

感想

良かった点

オムニバスという形式

本作はオムニバス形式のため、どのシナリオからプレイしても良く、シナリオごとのプレイ時間も大体1時間半から2時間、新規エピソード3つは2時間半程度というように比較的サクッと終わります。

なので気軽にプレイ可能です。

ちょっとした二時間ドラマを見ている感覚と似ているかもしれません。

質の高いシナリオ群

本作は過去作のおそらく評判の良かったシナリオをリメイクしているためか、どれもクオリティが高いです。

起承転結がしっかりしており、なおかつ転で本当に事態が急転するものが多いので、一度プレイし始めたらクリアまで一気に行けました。

以下簡単ではありますが、各シナリオのあらすじと感想を書いていきます。

時の過ぎゆくままに

(あらすじ)
盗まれた絵画の捜索を依頼された神宮寺。だがその盗難事件は家庭内の不和が原因で起こったようで・・・。

(感想)
ギクシャクしてるがそれぞれがそれぞれを思い合ってるからこそのラストがよかった。子は鎹なら孫も鎹。

6枚の犯行

(あらすじ)
神宮寺に届けられた謎の手紙。手紙を通して以前解決した奇妙な連続殺人を神宮寺が追憶する。

(感想)
手紙を読みながら事件を回想するという構成が目を引く一作。思い込みを捨てられるかがポイント。

亡煙を捜せ

(あらすじ)
突如として失踪した神宮寺。洋子と熊さんは各々の考えで神宮寺を捜す。

(感想)
三人の信頼関係の厚さを垣間見れる話。というかそこまでするか犯人よ・・・。

アオイメノリュウ

(あらすじ)
神宮寺のもとに舞い込んできたとある暴力団員の捜索依頼。それが二人の探偵を引き合わせる。

(感想)
龍が如くとかでありそうな話。探偵は腕っぷしがないと務まらなそう(偏見)

イヌと呼ばれた男

(あらすじ)
「自分が考えた殺人事件のトリックを解いてほしい。」怪しい男からそう依頼された神宮寺は、その裏に事件の匂いを嗅ぎ取り・・・。

(感想)
危険な生き方をする男の結末はなんとなく想像がつく。時には持論も捨てなきゃ。

ふた色の少女

(あらすじ)
スリと優等生二つの仮面を持つ女子高生。彼女の心の闇を神宮寺は晴らせるか。

(感想)
気は合うけど自分の全てを知ってほしいかは別だよなぁってなる話。終盤はツッコミどころ満載。

託された指輪

(あらすじ)
不動産会社に勤める専務の殺人事件、専務と関わりがあった母子の失踪。二つは1年前の事件に繋がっていく。

(感想)
誰が敵で誰が味方かはっきりせず進んでいく展開が好き。切ないけど取り戻せたものもあった。良作

椿のゆくえ

(あらすじ)
ネットで知り合った男性の行方を捜索するという変わった依頼を受けた神宮寺。だがその先には哀しい事実が待っていた。

(感想)
依頼人の成長を見守る神宮寺が印象的な話。偶然もここまで続くと清々しい。あと猫がかわいい。

果断の一手

(あらすじ)
会社の合併を巡って賭け将棋で雌雄を決しようとするが、そこに誘拐事件が絡んできて・・・。

(感想)
勝負と家族の安全どちらを取るか、決められない勝負師もいるんです。熱意と狂気は紙一重。良作

連鎖する呪い

(あらすじ)
占いによって自ら死を選んた男性。その原因を調査するとどうやら10年前ダムに沈んだ村が関係しているようで・・・。呪いが自殺を、そして復讐を呼ぶ。

(感想)
伏線の貼り方&回収の手際が素晴らしく、グイグイ物語に引き込まれる。呪いに引っ張られ過ぎてフラットな推理ができていない神宮寺は必見。良作

魔鏡の真実

(あらすじ)
建設現場での変死事件、謎の崩落事故。果たしてそれらは魔鏡の禍なのか?不可解な事件を熊さんが追う。

(感想)
新規エピソードその1。プロフェッショナルとはどうあるべきか考えさせられる話。隠す者と暴く者の二項対立も好き。

死者に捧げる石

(あらすじ)
親友の浮気調査を引き受けた洋子。だがそれは新宿で発生していた連続殺人事件へと繋がっていき・・・。

(感想)
新規エピソードその2。過去と現在―点と点が線になっていく展開は見事。加害者にはちょっと同情してしまう。良作

虚飾ノ夜

(あらすじ)
偶然にも大学時代の友人と再会した神宮寺。その再会が神宮寺を危険に満ちた長い一夜へと導く。

(感想)
新規エピソードその3。頭も身体もフル回転な神宮寺がすごかった(小並)イマイチ煮え切らないラストが残念。

謎の事件簿 三郎と謎の秘宝

(あらすじ)
ネタシナリオ。大富豪の秘宝を追っていく話。

(感想)
単なるネタだと侮るなかれ。一度でも間違えると即ゲームオーバーで一番難易度が高い(コンティニューは可能)。

個人的ベスト3

この中からベスト3を選ぶとするなら、自分の場合こうなります。

1位 連鎖する呪い
2位 死者に捧げる石
3位 託された指輪

ぶっちぎり1位なのは「連鎖する呪い」

本当に秀逸なシナリオです。物語のスケール、複雑な人間模様、さりげないけど絶妙な伏線など、どれをとっても一級品でした。

これ一本で新作作れるレベル。

2位は自分の中では3位と同率でもいいくらいデッドヒートなんですが、「死者に捧げる石」

洋子が親友のために引き受けた浮気調査が、巷を騒がせる連続殺人、ひいてはその裏に隠された悲しい過去に繋がっていくという展開は印象的でした。

要所要所で見せる神宮寺の気配りがまさにできる男。

3位は「託された指輪」

失ったものもあるけど全て丸く収まり、プレイ後の余韻が気持ちいい話です。

「嘘を見抜くのは難しい。だから知るんだ本当のことを」という神宮寺の言葉が心に残る。

トロコンが簡単

本作はトロフィーの9割がシナリオクリアで獲得でき、残り1割もゲーム中で手に入るパスワード10種類程度を入力すれば獲得できるため、トロコンが簡単です。

クリア時間も(読むスピードにもよりますが)トロコン込みで30時間程度で終わるという手軽さも魅力的。

推理ADVとしておすすめしやすい本作ですが、プラチナ目当てという意味でもおすすめです。

悪かった点

UIがひどい

おそらく最大の短所。

本作のUIはお世辞にも褒められた出来ではありません。

・既読スキップがない
・台詞非表示がない
・台詞AUTOがない
・レスポンスが微妙に遅い
・選択肢が5つ以上あっても4つまでしか表示されない

など、悪い点が思いつくだけでもこれだけあります。

昔ながらのアドベンチャーゲームとはいえ、リメイクしてこれほど古臭く扱いづらいUIなのはいかがなものかと・・・。

正直シナリオが面白くなければいつ投げてもおかしくありませんでした。

特に既読スキップなしは結構なストレスで、

間違えて一度調べたところを選択→〇連打で早送り→調べる画面に戻ったものの連打を止められずまた同じところを調べる

ということがちょいちょいあり、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!と何度なったことか。

いやまぁ〇連打をする自分が悪いんですが、スキップさえあればこんなことにはならなかったと責任転嫁したくなる気持ちも少しは分かっていただきたく・・・。

おわりに

オムニバス形式のシナリオを一挙収録というのが特徴の本作ですが、どの話もクオリティが高く楽しめました。

14篇収録されているので、確実に好みの作品は見つかると思います。

UIが劣悪なのが残念ですが、推理ADVが好きな方なら文句なしにおすすめできるかと。

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