『有翼のフロイライン』クリア後感想 簡単操作で大空を翔けるロボゲー/なお作り込みは…【ネタバレあり】

ps4
画像出典:My Nintendo Store
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はじめに

ここでは、『有翼のフロイライン』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です

本作はProduction Exabilitiesが開発した3Dシューティングゲームで、謎の侵略者ブランカーと戦うため、飛行ユニットを身に纏って戦う少女達を描いた作品となっています。

・・・多分これで合ってるよね?

すみません。このゲーム設定の説明がなさすぎて正直内容をよく理解できていないんです。

まぁ女の子達が戦うゲームというのは間違ってないと思うので、そういう作品だと思っていただければ。

ちなみに、フロイラインとはドイツ語で「令嬢、お嬢さん」という意味です。

ゲーム概要

ストーリー

舞台は、「ブランカー」という謎の敵性勢力の侵略を受けている世界。

家計を助けるため、田舎の軍事基地で働こうとしていたクラーラ・エルンストは、ある時基地の関係者から、身体検査の結果クラーラが「ヘルトシステム」という対ブランカー兵器への適性が極めて高いことを知らされる。

それがきっかけで、大切な人達が生きるこの世界を守るため、軍への入隊を決意。

ヘルトシステムを装備して戦うパイロットである「フロイライン」として、とある部隊に配属されることになった。

そしてそこで、同じくフロイラインであるエーリカ・レールツァーとの邂逅を果たす。

紆余曲折がありながらも、二人はフロイラインとしてブランカーとの戦いを繰り広げていくのであった。

本作の特徴

少女×メカ

本作は、少女達がフロイラインという飛行ユニットを装備して戦う3Dシューティングとなっている。

俗に言う「メカ少女もの」

なぜ少女なのかというと、「設定上フロイラインは女性しかなれない」というこの手のジャンルではオーソドックスな下地があるため。

作中では敵のフロイラインも登場するが、当然ながら敵フロイラインにもこの設定が適用されており、敵も味方も女性が多い。

お手軽に楽しめるハイスピード3Dシューティング

※ps4版でプレイしたため、ps4準拠で書いていきます

ゲーム部分ではテンポ良く素早い戦闘が楽しめる。

ステージは開放的な広さでこれといった障害物はなく、大空を縦横無尽に駆け回りながら襲い来る敵を倒していく

兵装は全部で種類あり、メニュー画面から好きなものを3つ選び装備する。

本作はロックオンしながらの偏差射撃が非常に強力なため、とりあえずマシンガン系が無難か。

また、R1長押しによるマルチロックオン射撃や、L2で急速回避(クイックマニューバ)など、容易な操作でメカっぽい動きやスピーディな行動が可能。

ゲームとしては決して奥深くはないが、ロボゲーとしては最低限遊べる作りになっている。

感想

良かった点

上手くなくてもそれっぽく戦える

この手のゲームって激しい画面表示に忙しい操作で結構難しいイメージがありますが、本作はそういったこととは無縁で、シンプル操作で素早く動けてボタン長押しor連打で敵を簡単に倒せます

武器の弾薬は撃ち尽くしても数秒で満タン、HPはFPSのように一定時間で自動回復という仕様のためゴリ押しがしやすく、よほど集中的に被弾しない限りはまず死にません。

難易度ノーマルでもイージーかと思えるほどに余裕を持って戦えるバランスです。

また、回避行動―クイックマニューバは、エフェクトが派手で機敏に動くためなかなかに気持ち良く、簡単操作でそれっぽい挙動ができるので、俺うめー感を味わえます。

この手触りの良さは結構好きでしたね。変に敷居が高くなくてよかったなと。

おかげで少なくともノーマルではストレス要素が一切ありませんでした。

中二感満載のOP

プロローグの後にOPがあるんですが、これが一昔前の中二感があって割と好きでした。

雰囲気がなんとなく進〇の巨人を彷彿とさせます。

どちらもテイストがドイツっぽいところがあるので、そこに類似性を感じるのかなと。

あとOP映像が中々凝っているのに、サビで急に映像が貧弱になるのも好きですね。

どこで力尽きとんねんってちょっと笑えます。

いやこれは決して馬鹿にしているわけではなくて、こういう「真面目にやってるのにちょっと笑えてしまう所」に中二の真骨頂があると自分は思ってるので、そういう意味ではまっすぐな中二感があっていいなと率直に思った次第です。

まぁスタッフの方達は中二を意識して作ったわけではない思いますが・・・

ちなみに曲のタイトルは「Eisen Flügelアイゼンフリューゲル」というらしいです。意味はドイツ語で「鉄の翼」。

悪かった点

深刻なボリューム不足

定価3000円ちょいの本作ですが、ストーリーは多く見積もっても3時間程度でクリア可能とかなり短いです。

しかもチャプター数は全部で6という驚異の少なさ。

※1チャプターあたりの所要時間は一番長くても25分程度

シンプルにボリュームが足りていません

その上クリア後に解放される要素や他に遊べるモードもなく、クリアしたらやることがないです(強いて言うならトロコンぐらい)

せめて設定資料が閲覧できるとか、フロイラインのモデル鑑賞とかがあってもよかったんじゃないですかね・・・。

目標をロックオンしてスイッチ。目標を…

戦闘面は簡単でとっつきやすく、その点は評価できますが、ちょっと単調過ぎるかなとは思いました。

そもそもこのゲーム、「ハイスピード3Dシューティング」を謳っているものの、実際のところハイスピードで戦う必要はほとんどないんですよね。

というのも理由はいたってシンプルで、こちらの弾のホーミング性能が異常なまでに優秀だからです。

ホーミングさせるには敵をロックオンする必要があるんですが、ロックオンしたが最後、あとは攻撃ボタンを押し続ければ、弾が勝手に敵に向かって行って倒してくれます

誘導がほんとに異常です。

なので敵がどれだけ速く動こうがこちらの攻撃はほぼ回避不能であり、こちらの射程から離れでもしない限り死ぬしかありません。

これに気づくと「あれ?これ別に素早く動く必要ねぇな」ってなり、それ以降は基本的にのっそり前に進みながら敵をロックオンして攻撃し続けるだけの作業と化します。

(他作品のキャラを引き合いに出しますが)トレーニング中のシンジ君の「目標をセンターに入れてスイッチ」ならぬ「目標をロックオンしてスイッチ」状態です。

時には回避行動も必要になりますが、やること自体は「目標を(以下略)」なので、下手すればシンジ君以上に死んだ目でやる可能性すらあります。

なので、ある程度刺激が欲しい場合は難易度ハード以上を推奨です。

と言ってもハードからは急に敵の攻撃と火力が強烈になるので、なんか調整が雑な感じなのは否めませんが。

敵が小さすぎる

作中における敵はブランカーという飛行兵器で、こいつら結構色んな種類がいるみたいですが、正直どれも小さくて違いがよく分かりません

でかい敵はでかいけど、小さい敵はどこまでも小さい印象。

戦闘では時々パートナーが「あれは見たことがないタイプの敵よ」なんて言ってきますが、その度に(そもそもまともに敵を見れたことがないです・・・)と心の中で突っ込んでました。

そういう感じなので、デカブツ以外はあんまり倒したという実感がなかったですね。

あと敵よりもロックオンカーソルの自己主張が強くて、敵に攻撃しているというよりカーソルに向かって弾を撃っているだけという感じがものすごくありました。

もうちょっと敵を見せてくれと何回思ったことか。

ただ驚きなのが、これでもアップデートでマシになっているらしいんですよね。

アプデ前はこれよりひどかったとかマジかよ・・・。

カスタマイズ要素がほぼない

ロボゲーの命と言っても過言ではないカスタマイズ要素ですが、残念ながら本作にはそういったものはほぼありません

ミッションのメニュー画面で兵装を入れ替えられる程度です。

武器やパーツをクラフトor強化したり機体のカラーリングをしたりといったことは一切できません。

この点はシンプルに残念でした。

自分だけの機体が作れる、とまではいかないまでも、もっとプレイヤーが介入できる余地が欲しかった

また、兵装説明や性能解説といったものもなく、フロイラインに対して愛着や魅力を感じられなかったのもちょっと辛かったです。

なんというか機体周りの練り込みやスタッフさんの設定に対するこだわりとかはほとんど感じられませんでしたね。

とにかく味気なかったなという印象。

全く何のこだわりもないままこのゲームを作ったってことはあり得ないと思うので、ここでもっとスタッフさん達の我を見せて欲しかったです。

あまりにも薄っぺらいストーリー

個人的には一番気になった点。

ストーリーは全て静止画かつ、全編にわたりクラーラとエーリカの二名のキャラのナレーションで進行します。

厳密には、クラーラの視点で語られるナレーションと、エーリカの視点で語られるナレーションの二つが交互にやってくるという具合。

要するに本作は、この二人の主観から物語が紡がれていくというスタイルになっています。

が、ここで注目していただきたいのは、二人の会話ではなく二人のナレーションで進行していくという点。

もしかするとこれで察する方がいるかもしれませんが、言ってしまうとストーリーでは戦闘パートを除き、キャラ同士が会話する場面が一切ありません

ほとんどとかではなく、本当に一切全くです。

ナレーション(二人の主観)で語られることが全てになります。

ex)
「エーリカが××をしていたのを見かけた」
「クラーラが□□をしていて、それを見て私は◇◇だと思った」

そういうわけなので、提示される情報量が極めて少ないです。

ストーリーを追っていると確実に気になるであろう世界情勢、敵の実態、フロイラインに関する基本事項など、物語の基盤となる設定は何一つ語られません

語られるのは、二人の身の回りで起きた出来事や経験した戦いのことだけです。

とは言え、大局的視点からではなく、個人の視点から見た物語というのは数多いですし、二人の主観だけで成り立つストーリーであっても全然いいと思います。

が、それならそれで主観視点での描写を濃く描いてほしいわけなんですが、上の例で挙げたように主観視点でもただ淡々と「〇〇が××をしていた」といった事実がひたすら語られるだけであり、尋常じゃないほど描写が淡泊です。

いきなりナレーションで新キャラ(エーリカ)が登場し、これといった掘り下げがないうちにダイジェストで一週間or1カ月が経過したりだとか、唐突にナレーションで「あれから2カ月が経過したが、この2カ月で色んなことを経験した」なんてこともザラにあります。

その経験を描写して欲しいんですが・・・

そんな具合なので、感情移入どころの話ではありません

場合によっては現状の把握すらままならないこともある始末。

はっきり言って非常に薄っぺらいです。

あと作中では、「部隊は家族」とか「私たち(クラーラとエーリカ)は親友」みたいな表現が何度も出てきますが、上述の通り描写が薄味過ぎるので全然説得力がありません

君達いつの間にそんなに仲良くなったの?って思うレベル。

しかも他の登場人物はほぼモブと化してて(ボイスどころか顔グラすらない)、部隊の人間模様や個々の性格とかはほとんど分かりませんからね。

これで部隊は家族とか笑わせるなよと。

こういう感じで終始底の浅い物語が展開されるので、プレイ中はゲームのシナリオを追っているというより極限まで端折られた朗読を聴いている感覚がありましたね。

ただ、開発者のインタビューを見ると、どうやらこれは意図的にやっているみたいです。

その理由は、「ムービーが長すぎるとプレイヤーを退屈させてしまうから(意訳)」

そういった配慮はありがたいですが、肝心の中身があまりにもなさすぎて本末転倒になっているんじゃないですかね・・・

少なくとも、個人的には退屈よりも困惑の方が遥かに勝っていたと思います。

おわりに

以上、『有翼のフロイライン』のクリア後レビューでした。

最低限遊べる作りにはなっていますが、本当に最低限です。

プレイ中は良かった部分よりも、

・ボリュームは物足りない
・ストーリーは味気ない

・設定解説等はない
・カスタマイズ性はほぼない

というように、数々の「ない」部分にどうしても目が行ってしまいました

「少人数体制での製作ゆえリリースまでに5年かかった」という苦労話を加味しても、プレイヤーからすればやはり作り込みが甘いと言わざるを得ません

その割に定価3000円ちょっとと微妙に高いので、正直満足感もそんなにありませんでしたね。

自分はセール時を狙って2600円で買いましたが、1000円台だったらまだ許容できたかな・・・。

まぁ最近はこういう空を自由に駆け回れるロボゲーってほんと少なくなったので、あまりにもそういった作品に飢えているならプレイを検討してみてもいい・・・かもしれません。

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