『NINJA GAIDEN:マスターコレクション』クリア後感想 シリーズ3作品を一挙収録/理不尽だけど癖になったりならなかったり【ネタバレあり】

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画像出典:Team NINJA公式Twitter
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はじめに

ここでは、『NINJA GAIDEN:マスターコレクション』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です

本作は、高難易度アクションゲームとして知られる「NINJA GAIDEN」シリーズ三作をリマスター化し1本にまとめたもので、有り体に言えば移植作品になっています。

理不尽要素がかなり多いですが、それでも何故かプレイしたくなる不思議な魅力を持ったゲームです。

忍者なのに忍ぶ気ゼロの主人公リュウ・ハヤブサの活躍、とくと見よ!(忍者違い)

ということで以下レビューを書いていきます。

ちなみに、自分はこれがニンジャガ初プレイです。

ゲーム概要

ストーリー

NINJA GAIDENΣ

忍達が世間から隠れて暮らす隼の里。

里の次期頭首候補のリュウ・ハヤブサは、ある時叔父の屋敷で稽古をしていると、そこで里が何者かによって襲われているという知らせを受ける。

敵の強襲を掻い潜り、急ぎ里に戻ったリュウだが、里は既に敵によって壊滅寸前になっていた。

敵の狙いは里に封印されていた魔刀「黒龍丸」であり、リュウはこれを守ろうとしたが、全身黒ずくめの鎧武者に手も足も出ず、黒龍丸を奪われてしまう。

その後なんとか一命をとりとめたリュウは、里を襲った敵は神聖ヴィゴル帝国という独裁国家の手の者だったということ、そして黒ずくめの鎧武者はドークという名の重鬼卿(皇帝直属の部下)だということを知る。

敵への復讐心を胸に秘めたリュウは、ドークを倒すため、そして黒龍丸を取り戻すため、単身ヴィゴル帝国へと向かうのだった。

NINJA GAIDENΣ2

前作からしばらく。

CIAのエージェントであるソニアは、世界各地で魔神達が目覚め、邪神を蘇らせようとしていることをリュウに伝えるため、各地を渡り歩き彼を探していた。

CIAが自身を探していることを知ったリュウは、ムラマサ(ゲームにも登場する武器職人)の店でソニアと会うが、それも束の間、ソニアが地蜘蛛一族(リュウ達隼側の忍者と敵対する忍者)の集団に捕まってしまう。

敵をなぎ倒し無事ソニアを救出したリュウだったが、地蜘蛛の狙いが隼の里に封印されている邪神像であり、ソニアを攫ったのは自分を引き付ける陽動だったということを知ると、反転里に急行。

しかし時すでに遅く、里は地蜘蛛一族に襲撃され、邪神像も奪われてしまった。

奪われた邪神像を追い、邪神の復活を阻止するため、リュウは魔神や地蜘蛛一族との戦いに身を投じるのであった。

NINJA GAIDEN3 Razor’s Edge

ある日、イギリス・ロンドンで謎の武装集団が日本の政府高官達を人質に立て籠もるという事件が発生する。

武装グループの要求は、「リュウ・ハヤブサをここへ呼び出すこと」。

日本政府から要請を受けたリュウはロンドンに飛ぶ。

急ぎ現場に向かうも人質は既に殺されており、そこには武装グループのリーダーである謎の仮面の男が待ち構えていた。

リュウは仮面の男と交戦し勝利するが、男はリュウの右腕に「殺戮の凶手」と呼ばれる呪いをかけ逃走。

呪いを受けたリュウは右腕が赤黒く変色し、自らが殺めてきた人々の怨念に苦しむことになる。

その後仮面の男は全世界に対し、「全ての国々は7日以内に我々の軍門に下れ。下らない国は滅ぼす」と宣言。

圧倒的な軍事力・経済力を武器に世界を牛耳ろうとする。

仮面の男の野望を止め、自らにかかった呪いを解くため、リュウは再び戦いに身を投じるのであった。

本作の特徴

シリーズ3作品を一挙収録

本作は、これまでに登場したNINJA GAIDENシリーズ3作品を収録しており、これ一本でシリーズ全体を楽しむことができる

収録作品は以下の通り。

NINJA GAIDENΣ

NINJA GAIDENΣ2

NINJA GAIDEN3 Razor’s Edge

いずれもオリジナルからの完全版にあたるもので、各作品に配信された各種DLCも全て収録されている。

オリジナル版が収録されていないため、シリーズファンにとっては少々残念なのは否めない。

が、内容的には大きな変更点はなく、シリーズ全てを問題なく楽しめるので、ファンだけでなく未経験者にも手にとりやすい一本となっている。

高難易度ハイスピードアクション

本作、というよりNINJA GAIDENシリーズ(以下ニンジャガ)最大の売り。

ニンジャガはどの作品も高難易度になっており、爽快ではあるが単純な攻撃連打ではクリアできないような作りになっている。

高難易度の要因の多くは雑魚敵の強さ

雑魚は単体でもリュウに匹敵するレベルで強く、それが複数でこちらに攻撃してくるため、劣勢を強いられる場面が多い。

それに対しリュウの攻撃は単体処理を想定したものが基本で、複数の敵を一気に巻き込める攻撃はそこまで多くはないというのが高難易度に拍車をかける。

特に技のレパートリーに乏しい序盤はなかなかきつい。とにかく死にまくるのでプレイする場合はある程度覚悟が必要になる

が、技を覚えゲームのコツを掴めてくると爽快感が徐々に増していき、ヒリヒリとしたハイスピードアクションが楽しめる。

「死合う」という言葉がしっくりくるゲームと言えるだろう

感想

3作品を1つにまとめた作品なので、一つずつ分けて感想を書いていきます。

ちなみに、全てノーマルでクリアした感想です。

NINJA GAIDENΣ(無印)

GAIDENシリーズ1作目ということだけあって、全体的に荒削り

あまりユーザーフレンドリーとは言えない部分が多いです。

チュートリアル一切なし

まずは洗礼と言わんばかりにゲームを始めるとチュートリアルもないまま敵と戦わされます。展開が速い。

この説明もないまま放り出される感じがすごく当時のゲームって感じで懐かしい。

十数年前のゲームって箱に入ってる紙の説明書読んだ上でプレイするのが前提でしたしね。

まぁこのニンジャガコレクションには説明書なんてないんですが・・・。ペーパーレス化の寂しい所。

一方で、ニンジャガ独自のアクションである「壁走り」や「飛鳥返し」などには流石に説明こそありますが、操作方法に関しては一切教えてくれません

「忍者は壁を走れる」「忍者は壁の間で飛鳥返しができる」という事実を述べるだけです。

存在は教えてくれるけど肝心の操作方法は教えてくれないこの中途半端な感じ一周回って好きですね。いや今のゲームが丁寧過ぎるのかな。

というような感じで、最初は手探りで色々覚えていく必要があります。高難易度なのでもちろん死にながら。

この時点で大分人を選ぶなぁという印象です。

ただ、こんなのはまだ序の口で、荒削りなのはこれから。

リトライやセーブの欠陥

死にゲーと呼んで差し支えないニンジャガですが、リトライ前提の難易度なのにリトライが結構時間かかります

ゲームオーバーからリトライまでの流れは以下の通り。

①ゲームオーバー
②コンティニュー?(Yes/No選択)
③チャプター冒頭の画面に戻る
④チャプター決定
⑤リトライ

見てもらえば分かるかと思いますが、無駄が多いです。特に③と④。

なぜわざわざチャプター画面に戻るんだ・・・。

なので大体リトライするまでに大体15秒ほどかかります。

しかもオートセーブなんて甘っちょろい便利な機能はないので、リトライと言っても戻るのは最後にセーブした場所

こういう感じなので、トライアンドエラーという観点から見るとテンポが悪いです。

セーブポイントとボスまでの距離がわりかし近いのが救いでしょうか。

あとこのセーブポイントも、昨今のゲームではよくある「触れたら体力全回復」のような機能は一切なく、本当にセーブできるだけです。

体力が減った状態でセーブなんてのは日常茶飯事。

しかもセーブポイントは安全地帯というわけでもなく、近くに雑魚がいると普通に襲ってきます。

ある場所にあるセーブポイントにいたっては閉所にあるため、下手するとハメ殺される可能性すらある始末

さらにダメ押しと言わんばかりに、ゲームの仕様上雑魚はエリアを跨ぐorリトライすると復活するので、最悪の場合、

①瀕死状態でセーブしてゲームオーバー

②リトライで雑魚復活

③瀕死のまま雑魚に対処しなければならない

という状況に陥る可能性もあります。というか実際ありました。

まぁスルーすればいい話なんですが、雑魚って基本リュウより足速いんですよね。超忍さん・・・。

なので下手に逃げると逆に被害が増すこともあったりして雑魚は最後まで脅威でしたね。

回復面のシビアさ

肝心要の回復アイテムも使い切りタイプでショップだと結構値が張るため、安易に無駄遣いできません。

特に体力の最大値やエッセンス(敵を倒したら手に入るお金みたいなもの)が低い序盤~中盤手前はかなりの苦行を強いられます

※エッセンスが頑張っても2、3000ぐらいしか手に入らない時期に一番安い回復アイテムが1個500のような具合

中盤以降はどちらにも余裕が出てきて楽にはなるんですが。

なのでどうしても最初らへんが一番難しいゲーム性になっています。

装備変更のしづらさ

他にもUI面では気になる点があり、一番嫌だったのは装備変更がメニュー画面を開かないとできない点。

特に今作は弓を使って謎解きをする場面が多く、そういう時はイチイチメニューを開いて弓を装備しないといけなかったので地味にストレスでした。

回復は十字キー↓ですぐできるのになぜ装備はできないんだ・・・。

アクション部分に関して

アクション部分に関しては世間の評価に違わぬ難しさです。

難しさの大部分を占めているのは何と言っても雑魚の強さ。

雑魚の攻撃が熾烈で火力が高く、雑魚なのに雑魚じゃありません。どっちだよ

しかもそれが集団で襲ってくるのでまぁきついのなんの。ハメ殺しに近いことされるなんてのも珍しくありません。

なのに理不尽なスーパーアーマーも持っていたりするので、こっちが攻撃してのけぞらせても即座に立て直してのけぞり無効で反撃してくることもあります。

さらに凶悪な性能の投げ技をしてくる敵が多いのも難点。

判定がでかいのか距離を取っても食らうことが多々あり、食らってしまうと当然ながら通常の攻撃よりもはるかに痛いです。

その上ボスによってはこの投げ技に吸収効果を搭載している奴もおり、体力を平気で3割くらい回復させるのもいたりしてストレス溜まります。

お前のことだよドーク。

体力ミリのところから超回復しやがって。まぁ避けれない方も悪いけど

ただ、投げに関してはプレイヤー側も強く、チャプター3で習得できる飯綱落としというのがあるんですが、これが滅茶苦茶強いです。

飯綱落としに関しては詳しく知りたいはググってみてください。敵をグルグル回して叩きつけるあれです。

というのも、

・敵を掴んで地面に叩きつける間(約2秒)は完全に無敵

・ダメージ量が高く、叩きつけられた敵は基本即死

・叩きつけの際周囲に攻撃判定付きの衝撃派があり、近くの敵を巻き込んでダメージを与えられる

とまさに必殺技と呼ぶにふさわしい性能になっています。リュウを象徴する技と言っても過言ではありません。

飯綱落としは、基本的にリュウと似た体格の敵(人間や小型の魔物)には可能で、そういう敵は終盤まで出てくるので、習得した直後から最後までメインウェポンになります。

いや最後らへんはちょっと使わないか・・・?まぁでも強いことには変わりないかと。

飯綱落としを信じ切れるかどうかがクリアの鍵を握る、かもしれません。

ストーリーに関して

敵船でくつろぐリュウの図

あとここまで長々と書いてきてキャラやストーリーに一切触れていませんが、これらについては正直どっちも薄味過ぎて書けることがありません

リュウがかっこよかったこととちょっとドジっ子ぐらいしか記憶にないです。

特にストーリーは前情報で中身が薄いことは知ってましたが、予想以上の薄さでした。

ただでさえ登場人物が少ないのに会話シーンが少なすぎる。序盤がピークという有様です。

中盤なんかはストーリーと関係ない敵が出てきた→倒したの繰り返しでそもそも主要キャラがリュウ以外ほとんど出てきませんからね。

その主要キャラも描写が薄くて何を考えてるのかよく分からないので、感情移入とかもできませんし。

黒幕が実は〇〇だった!っていう展開も「ふーん(そんな伏線どこにもなかったよね・・・)」って感じでした。

分からないことだらけで突っ込む気力も起きないです。

おそらく脚本の人もあんまり深く考えてないと思うので、ストーリーに関しては気にしたら負けなんだと思います。

まぁこのゲームの骨子はアクションですしね。

総評

以上、グダグダ書きましたが、総評としては「荒削りを楽しめないときついゲーム」なのかなと。

12年以上前のゲームなので今のゲームのような快適性はない点や、シリーズ1作目ということもあってスタッフがまだ勝手を掴み切れていない点など、当時の状況を踏まえてプレイしないとちょっとしんどいと思います。

でも、実のところΣは、無印→Blackと2作を経て大分改善された上で発売されたゲームなんですよね。

これでも大分良くなってるとかマジかよ・・・。

NINJA GAIDENΣ2

無印からの直接の続編。

個人的にはニンジャガシリーズ最高傑作だと思います。

改善要素の多さ

まずチュートリアルの充実っぷりがすごい。

実際の映像付きで操作方法を解説したり、敵忍者が落とした日記にアクションの詳しい解説(俺は未だに飛鳥返しができない、絶技ができないなど)があったりとすごく分かりやすくなっています。

武器や忍法、アイテムなどの設定解説なんかがあるのも地味に嬉しい。

殊更褒めるような点ではないのかもしれませんが、無印をプレイした後だとものすごく進化を感じるので書かずにはいられませんでした。

やればできるじゃんTeam NINJA!(上から目線)

という感じで好印象からのスタート。

ゲーム面では最初から飯綱落としが使えたり、飛燕が2連続でできたり、初期HPが高かったりとなかなか強めの初期状態で、序盤からつまづきポイントが見受けられませんでした

ここもよかったですね。上の方でも書きましたが前作は最初らへんが一番きつかったですから。

回復面が格段に楽に

HPバー右側の赤くなっている所が減少分

あと大きな変更点としては、HPは被ダメージ量に応じて最大値が減少していくという仕様になった代わりに、戦闘が終わるごとにHP全回復という風に変わりました。

これにより、回復アイテム事情に悩まされるケースが格段に減っています

最大HP減少に関しても、急激に減るわけではなく緩やかに減っていくので滅茶苦茶きついわけではなく、

回復アイテムを使えば減少部分は回復可能で、

さらに今作ではセーブポイントで全回復できるようになり(もちろん減少分も全回復)

セーブポイントの箇所も増加している

とまさに至れり尽くせりで、ほとんどデメリットは感じません

むしろリターンの方が遥かに大きい。

このおかげで、一概に高難易度と言ってもかなりとっつきやすくなっていると思いました。

無双アクション寄りになったゲーム性

難易度は前作に比べると大分易しくなっています。

まず飯綱落としが効く相手が増えました

「こいつ飯綱いけるかなぁ」→「いけるじゃん!」というのが多かったです。

基本的にリュウと体格が同じ程度かそれ未満の雑魚なら飯綱で落とせると思っていいでしょう。

なので前作以上に飯綱を信じていいのかなと。というか自分はほぼ飯綱一本で最後まで行きました。

あと飛燕(空中から敵に向かって瞬時に斬り抜ける技)。これら2つがあればノーマルはとりあえずなんとかなります。

また、死亡回数という点で見ると、前作は100回以上死んだと思いますが、今作は魂返の護符(死んだ時HPを全快にして復活できるアイテム)による復活を含めても4回だけでした。

ちなみに難易度ノーマルです。

しかもそのうちの1回は、ソニアというヒロインキャラを遊びで間違って弓で撃ち殺したので実質3回という。

なので感覚的にはデビルメイクライやベヨネッタなどのスタイリッシュアクションをプレイしている時に近かったかなと。

明確にやられてゲームオーバーになったのは自由の女神戦ぐらいでした

ただ、チャプター14から難易度が一気に上昇するので、徐々にヒリヒリした戦いになっていきます。

この辺りの調整は絶妙でした。ぬるくはないけど無理ゲーでもない感じ。

より難しさを求めるならハード以上の選択肢もあるので住み分けもバッチリ。

ニンジャガの一つの到達点と言っていいんじゃないでしょうか。

ストーリーに関して

ヒロイン枠のソニア。ピー〇姫並によく捕まる

そんな完成度の高い2ですが、ストーリーは1同様うっすいです。

「リュウがかっこよかった」「ソニアが無能だけどエロかった」ぐらいの小学生並の感想しか思い浮かびません。

1よりは頑張ってるとは思いますが、相変わらず描写不足な場面が多く突っ込んでもしょうがないかなって感じ。

というか隼の里色々と危険な物封印し過ぎじゃない・・・?何回襲撃されてんねん。

ただストーリーを求めてプレイするようなゲームではないので全然許容範囲だと思います。

総評

最初の方でも書きましたが、個人的にはシリーズ最高傑作だと思います。

何と言っても遊びやすい。

特に回復面の仕様変更はかなりいい改善ポイントで、多少理不尽な攻撃を食らっても全然リカバリーできるので、精神面で荒むことなくプレイできました。

高難易度アクションと爽快感の2つを高いレベルで両立させています

この路線を維持できていれば、今日でもシリーズが続いていたのかもしれないと思うと残念ですね。

NINJA GAIDEN3RE

リュウ主人公のニンジャガとしては最終作。

不評だった無印3を改良した完全版とのこと。

評価がよろしくないことは前々から知っていたので戦々恐々しながらのプレイでしたが、なるほど評判の悪さにも納得という感じでした。

シリーズ最弱のリュウ

まず目につくのは、リュウの弱体化

攻撃モーションや速さ自体は特に変わってないですが、全体的に隙が増えています

厳密には回避後や着地時の硬直が増えているという具合。

そのせいで、以前の作品では明らかに大丈夫だった場面でも、今作ではダメージを食らうということが少なくないです。

特に飯綱落とし。

過去作では、敵を地面に打ち付けた後は割とすぐ動けたのに、今作は硬直が長くすぐには動けません。

なので地面に打ち付ける→敵からの攻撃を食らうというパターンが増えており、飯綱落としに頼りづらくなりました

というか空中に飛ぶ=隙を晒すことと同義なので、今作はなるべく飛ばない方がいいです。着地後リンチが目に見えてる。

あと、これまでの作品は初期から使えていた風路がなぜか強化しないと使えないのがなんか違和感でした。

風路―敵を踏みつけてよろめかせる技

そんなとこまで枷かける必要ある?って感じ。

シリーズ最強の雑魚軍団

リュウの弱体化に関しては上の通りですが、それと比例して雑魚もダウングレードしているのなら個人的にそこまで文句はありませんでした。

が、残念ながらそんなことはなく、雑魚は今まで以上に強くなっています

これまでは雑に攻撃しても敵にダメージを与えられましたが、今作では敵のガード率・回避率が異常で、こちらの攻撃がかなり当たりづらくなりました

攻撃が当たる確率は五分五分と言っても過言ではありません。それぐらい当たらない。

その上先ほども述べたように、リュウの硬直は増えているため、相対的にリュウの隙が浮き彫りになるという有様に。

そんな具合なので、一番雑魚の下級兵士にすら飯綱が安定しません。もし決まっても着地後に被弾するリスクがあるという。

それとこれまでは有効だった死角からの飛燕も場合によってはガードされることもままあります。こいつらニュータイプか何か?

ちなみに難易度ハードとかではなくノーマルでこれですからね。調整どうなってんねんと。

あと錬金兵。お前らは〇ね。マジで〇ね。ガードするな。掴むな。気力吸うな。欠損したら少しは動き鈍くなれよ。

開発スタッフは何考えてこんな奴ら作ったんだ?

回復面の改悪

気力を消費して回復することもできるが使い勝手は悪い

システム面も大きく変更されており、一番大きいのは回復アイテムの廃止

これまでは強い相手でも回復ゴリ押しで勝てたりしましたが、今作ではそういったことが一切できません。

回復手段も忍法を使うか後述の断骨ぐらいしかなく、基本的に自力だけでなんとかしていく必要があります

戦闘終了後の全回復は変更されていないのがせめてもの救い

そのため、過去作以上にプレイヤースキルが問われるバランスになりました。

敵は強くしてこちらはシステム面も含めて弱体化させるという雑な難易度上昇の方法を取ったのはシンプルに残念。

高難易度と理不尽を履き違えていると言わざるを得ません。

前の作品でできていたことが後の作品でできなくなることのストレスっぷりをスタッフの方々はもうちょっと感じ取ってほしかったですね。

まぁ10年近く前のゲームに言ったところで後の祭りなんですが・・・。

テンポが悪い上に無駄に多いQTE

今作では今までなかったQTEが随所にあり、連打や瞬間的にボタン入力を要求される場面が非常に多いです。

別にQTE自体は嫌いじゃないんですが、今までなかったのになぜ入れた感が強い。

しかもムービーで済ませられるところにもQTEがあったりするしテンポが悪いです。

ニンジャガにはそういうの求められていないと思うんですが。

ボス戦のつまらなさ

あと、このゲームボス戦が滅茶苦茶つまらないです。

特にチャプター2と8のボス。考えた人頭おかしい。なんでこれが没にならないんだ・・・。

チャプター2では戦闘機がボスなんですが、当然ながら戦闘機なので空を飛んでおり、こちらは遠距離攻撃でしかダメージを与えられません。

この時点ですでに面白くないですが、さらにボスは空からの爆撃やらミサイルやら突進やら攻撃方法が無駄に多彩で攻撃範囲も広く、こっちはとにかくひたすら避けながら弓でペチペチ攻撃するという「なにこれ」な戦いになります。

ここでもQTEあり

スタッフはこれ面白いと思ったんでしょうか。

それとチャプター8のボス。これも滅茶苦茶つまらなかった。

チャプター8は最後のチャプターで、ここで言うボスってつまりラスボスのことなんですが、ラスボスとの戦いの前半はなんとひたすら雑魚処理です。

しかも無限湧き。

手前の白い奴らが雑魚で奥のおっぱいがボス

厳密には雑魚を倒して気力ゲージを稼ぎ、MAXになったら忍法でボスにダメージを与えるという流れ(そもそも忍法でしかダメージを与えられない)ですが、まぁ雑魚処理には変わりありません。

「じゃあ気力マックスの状態で挑めばいいじゃん」って思うかもしれませんが、ラスボスとの戦闘に入った時点で気力は0になるので最初から集め直しです。

どう足掻いても処理を強要されます

しかも雑魚処理中は当然ボスも攻撃してくるので、ラスボス戦なのにラスボスの攻撃を掻い潜りながら雑魚を倒すというわけの分からない状況に

「最後なのに何やってんだろ・・・」って気分でした。

というかこの雑魚も雑魚とは思えないくらい強く、

・足が速い
・攻撃モーションが素早い
・地味に火力がある

・回避性能が異常
・カウンターが決めづらい

と無駄に脅威です。

これにラスボスの攻撃(空中からビームの柱、連続叩きつけ)も加わるので、雑魚処理と言ってもかなりの困難を極めます

ビームの柱。追尾するかのように連続で来る
叩きつけ。大体3~5回連続でやってくる

本当にただただ苦行

スタッフはこれ面白いと思ったんでしょうか。(2回目)

ラスボスですよ?ゲームの最後を締めくくる相手ですよ?分かってます?

ストーリーに関して

話は変わってストーリーについてですが、ストーリーは過去作と比べると力が入っているものの、特に面白いとは思いませんでした。

安っぽいB級アクション映画を観た気分

また、敵キャラがほぼ全員味方キャラの身内なので、世界を股にかけた戦いといっても内輪で話が完結しており、かなりこぢんまりしてたなという印象です。

黒幕のパンチが弱すぎたのも残念。

あと今作リュウがよく喋ります。と言っても過去作に比べると、というレベルですが。

これにより、以前のような冷徹な殺人マシーン感はなく、かなり人間味が出ています。

ex)頻繁にマスクを外して素顔を晒す、子供には目線を合わせて話す、敵に怒りの言葉をぶつけることが多いなど

これに関してはググると割と賛否両論あるみたいでしたが、自分は意外と受け入れられましたね。

無口で冷徹だけど殊更不愛想というイメージもないので。

まぁマスク外し過ぎじゃない?とは思いましたが。

評価できる箇所

と、ここまでボロクソに書きましたが、当然ながら評価できる部分もあります。

まず挙げられるのは演出面での爽快感

今作はスプラッター全開の演出により爽快感が格段に上がっています。

欠損は派手に敵の部位が飛び、滅却は血しぶきを上げて敵を両断するなど、グロいながらもスカっとするが魅力的

文字通り敵を一刀両断できる
飯綱落としでは派手に血しぶきが飛ぶ

理不尽にボコられてる時はイライラしっぱなしですが、こっちが無双している時の爽快感は本当に素晴らしい

この点だけはシリーズ屈指だと思います。

賛否あると思いますが、自分は評価したいですね。

また、新たに登場したアクションである断骨も強力。

これを決めるとHPにかかわらず敵を一撃で倒すことができ、さらに近くに敵がいる場合は連続して断骨が発動するため、上手くやれば短時間で敵を一掃することも可能になりました。

スクショはあやね操作時のもの

そして断骨で倒した敵の数に応じてHPと気力が回復するというおまけつき。

弱体化が目立つリュウにとって非常に頼れるアクションになっています。

というか断骨が安定しないと今作はかなりきついです。断骨ありきの難易度設定なんでしょうねおそらく。

総評

3無印で不評だった部分を改良した完全版とは言え、1と2で積み重ねたものを見事にぶち壊した作品です。

商業的に失敗したのも残念ながら納得しかありません。

最初から2の流れを汲めていたら絶対結果は変わっていただろうに・・・。

おわりに

以上、『NINJA GAIDEN:マスターコレクション』のクリア後レビューでした。

全体的に理不尽を感じる部分が多いシリーズですが、なんだかんだ最後までやってやろうという気になれるゲームだったかなと思います

まぁ(2以外は)1からまたやろうという気分になれないのも事実ですが。

あと各作品を一言でまとめるなら、

荒削りの1
完成を見た2
全てをぶち壊した3

という風に個人的には思いました。

この中でどれか一つをおすすめするとするなら間違いなく2一択ですね。

一つのアクションゲームとして見ても純粋に面白いですし。

この2ができただけでもこのシリーズをプレイした価値があったかなと。

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