はじめに
ここでは、「ロックマンゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意ですが、十数年前の作品群なのであまり自重していません。
本作は2000年代に発売されたロックマンゼロシリーズおよびゼクスシリーズの合計6作品を一つにまとめた復刻作品となっています。
概要
シリーズについて
本作について述べる前に、まずはゼロシリーズおよびゼクスシリーズについて簡単に解説していく。
ロックマンゼロ
俺を目覚めさせて、どうしようっていうんだ。
記念すべきシリーズ第1作目。
100年にわたる眠りから目覚めた伝説のレプリロイド・ゼロが、シエルらレジスタンスとともに、レプリロイドを弾圧するネオ・アルカディアと戦う。
ハイスピードかつスタイリッシュなアクションをはじめ、シリアスなストーリーやGBAらしからぬ無骨な難易度が話題を呼び、ロックマンユーザーのみならず新たなファンの獲得に成功。
新時代の『ロックマン』シリーズの始まりを高らかに宣言した。
ロックマンゼロ2
誰も知らないゼロが目覚める。
シリーズ2作目。
前作から1年後が舞台であり、かつての戦争で甚大な被害をもたらしたダークエルフを巡って繰り広げられる戦いを描く。
高難易度はそのままに、アイテム設置箇所の増加やサイバーエルフ育成の緩和など遊びやすさに配慮がなされている。
※ただし難易度はシリーズ屈指との声も多い
また、フォームチェンジやEXスキルなど後の作品にも引き継がれる要素が誕生し、アクション性に磨きがかかった。
ロックマンゼロ3
生きてやる。
シリーズ3作目。
前作から2カ月後が舞台。
全ての元凶であるドクターバイルおよび謎のレプリロイド・オメガの登場をはじめ、ゼロやダークエルフの秘密が明らかになるなどストーリー的に山場が多いのが特徴。
※当初の予定では3で完結予定だったとのこと
ゲームとしては、サイバーエルフが改良され(フュージョン型とサテライト型)使いやすくなった点や、
ゼロの身体の部位ごとに特殊効果を持つパーツを装備できる点など、カスタマイズ性が高くなった。
ロックマンゼロ4
そして、すべてがゼロになる。
ゼロシリーズ最終作。
ゼロ達とドクターバイルの最後の戦いを描く。
また、シリーズとしては初である人間達との交流も描かれており、ゼロ達の行為の負の側面(意図していないとはいえ、結果的にネオアルカディアの体制を破壊し人々を混乱させた)が描写されている。
ゲームとしては新たにゼロナックルという武器が追加され、敵の武器を奪って自由に使えるように。
また、サイバーエルフが消費型から完全に育成型に変更され、育てることでより上位の効果を得られるようになった。
最後まで試行錯誤をやめず高品質を保ち続けたゼロシリーズは、惜しまれつつも4をもって完結した。
ロックマンゼクス
選ばれしもの、今こそ変身せよ!
実質的なゼロシリーズの続編。
ゼロ4から数百年後が舞台で、適合者に大いなる力をもたらす「ライブメタル」を身に纏うロックマン達の戦いを描く。
系譜としてはエックスシリーズ、ゼロシリーズの流れを汲むが、
・ロックマンシリーズでは初の女性主人公が選択可能
・ゼクスシリーズにおけるロックマンとは「ライブメタルによって変身し戦う者」を指す
・人間は身体の一部を機械化し、レプリロイドは自らに寿命を設定することが当たり前になっている
・ステージは選択制ではなくマップを探索して見つけ出すという形式を採用
など独自性が強く、新たな『ロックマン』の境地を切り開いた。
ロックマンゼクスアドベント
その封印を解くな。
ゼクスシリーズ2作目。
ゼクスから数年後、邪悪なライブメタル・モデルVの復活をもくろむロックマン達と、それを阻止しようとするロックマン達の戦いを描く。
ロックマンのコンセプトやマップ探索型といった前作の要素を引継ぎつつ、倒したボスの姿や技を完璧にコピーできるトランスオンという新たなシステムが登場。
これにより、変身のバリエーションが前作から倍増し、ユニークなプレイ体験が可能になった。
なお、隠しEDは大いに続編を匂わせる終わり方だったが、2020年現在もゼクスシリーズ新作に関する音沙汰はなく(アドベントの発売年は2007年)、次回作は絶望的なのが残念。
本作の特徴
6作品をこれ1本で楽しめる
本作では、ゼロシリーズ4作品・ゼクスシリーズ2作品を余すところなく堪能できる。
特にゼクスシリーズの復刻はこれが初めてで(ゼロシリーズはDSで一度復刻されている)、6作品がこれ一本にそろい踏みしているという点は特筆に値するだろう。
また、復刻にあたって画質や音質も現行ハードのスペック向上に合わせてクリアになっており、特に音質に関しては台詞が綺麗に聞き取れるようになっている。
なお、画質・音質ともにリマスターされたバージョンか当時のままを再現したオリジナルバージョンかが好みに応じて選択可能で、そうした配慮もありがたいところ。
さらにギャラリーも充実しており、作品ごとにキービジュアルや簡単な設定資料が閲覧可能で、なおかつミュージックプレイヤーも完備しているため、各種BGMも問題なく聴けるようになっている。
これらは最初から全て解放されており、クリアしなければ見られないということもない点も地味にありがたい。
以上のように、本作はシリーズファンのみならず、今まで触れたことのない人にも満足のいく内容になっていると言えるだろう。
より遊びやすくより快適に
高難易度の横スクロールアクションゲームで有名なゼロ・ゼクスシリーズだが、本作では2つの救済要素により非常に遊びやすくなっている。
まず一つ目がカジュアルシナリオモード。
これはゲームそのものの難易度緩和措置で、この機能をONにすると
・敵からのダメージ減少
・落下死しなくなる
・アイテム所持数やゼロの強化状態が最初からマックス
など、俗に言う「強くてニューゲーム」が最初から可能になる。
アクションゲームに自信のない人や、久しぶりにシリーズに触れる人には心強い機能と言える。
救済要素の二つ目がアシストセーブ。
これはステージ中に設置されるセーブポイントのことで、この機能をONにすると残機制限がなくなり、何回死んでもアシストセーブがある地点からのやり直しが可能となる。
※通常だとゲームオーバーになれば最初からやり直し
これにより、事実上ゲームオーバーという概念がなくなり、カジュアルシナリオモードと併用すれば、どの作品も格段にクリアしやすくなる。
以上2つの機能があるため、幅広い人達が本作を楽しむことができるだろう。
ただし、道中やボスのスキップ等は流石にできないので、苦手なステージやボスが出てきても根気強くプレイする必要はある。
高難易度なだけあって本作では壁との激突が多いが、頑張って乗り越えていただきたい。
Zチェイサー
本作の独自要素。
Zチェイサーとは、簡単に言えばタイムアタックモードのこと。
作品ごとに決まっているステージを全く同じ条件でいかに素早くクリアできるかを競う。
ランキング機能があり、オンラインに自分のデータを登録すれば、自分がどの位置にいるか、1位のタイムはどれくらいかなどを知ることができる。
ローカル限定だがオフライン対戦も可能で、近くのプレイヤーと直接競い合うことも可能。
また、直接の対戦はできないものの、オンラインに繋げば世界記録保持者のデータをダウンロードしてゴーストとして間接的に競うこともできたりする。
感想
良かった点
やっぱり面白い
リアルタイムで追って、ゼロコレやって、そして本作とゼロシリーズは最低3周、ゼクスシリーズは(復刻がないので)2周しましたが、やっぱり何度やっても面白いです。
思い出補正も多分に含まれているかもしれませんが、色褪せない面白さですね。
名シーンも実機でプレイしている最中に見ると、当時を思い出してかなり激熱です。
コスパ抜群
復刻版なので当然と言えば当然ですが、本作は6作品収録でミドルプライスと手頃な価格設定となっています。
定価でも4000円、DL版ではセールを狙えば2500円ほどで買えるので、あまりゼロやゼクスを知らない方でも手が出しやすいかと。
それでいて一通りクリアするまでには大体30~40時間はかかるため、一つのゲームとして見ればボリュームも豊富です。
ちなみに自分はアシストセーブとカジュアルモードOFFで35時間かかりました。
悪かった点
ギャラリーが少し物足りない
単純に残念だった点。
イラストやBGM、設定資料などは揃っていますが、PVやCMといった映像関連のものは収録されていません。
権利関係や映像媒体の保存状況などカプコン側の事情があると思われますが、やっぱりないと寂しく感じられました。
エックスシリーズをまとめた「ロックマンXアニバーサリーコレクション」の方はPVやCMのみならず、書籍や玩具といった関連商品の情報も網羅していたので、それと比べるとどうしても見劣りしてしまう感じはありますね。
逆にエックスの方が頑張り過ぎとも言えなくもないですが。
ゼロシリーズのCMはクオリティが高く印象に残っているので、せめてCMだけでも入れてて欲しかったなというのが率直な感想です。
おわりに
名作を余すところなくしっかり移植し、かつゲームの良さを壊さないような救済要素や新要素を取り入れており、ほぼ不満点が見受けられませんでした。
良移植と言って全く差し支えないです。
誰が手に取っても楽しめるゲームだと思うので、興味があれば是非プレイしてみてください。
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