『刑事J.B.ハロルドの事件簿 マンハッタン・レクイエム』クリア後感想 被害者は全員同じ名前!?/大都市で展開される奇妙な事件【ネタバレあり】

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画像出典:My Nintendo Store
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はじめに

ここでは、「刑事J.B.ハロルドの事件簿 マンハッタン・レクイエム」をクリアした感想をつらつら書いていきます。

※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です

本作はJ.B.ハロルドシリーズの第二作目にあたる作品で、マンハッタンを舞台にした複雑怪奇な事件を捜査するアドベンチャーゲームとなっています。

ゲーム概要

ストーリー

リバティタウンに住むハロルドのもとに、ニューヨーク・マンハッタンから一通の手紙が届いた。

それは以前の事件で知り合ったサラ・シ―リズという女性からの手紙で、内容は何の変哲もないごく普通のものであった。

だがその数日後、ハロルドの昔の同僚で現在はマンハッタンに住むジャド・グレゴリーから、

「サラがマンハッタンで自宅アパートから飛び降り死亡した」

という衝撃的な手紙が届く。

さらにジャドによると、彼女の死に事件性はないと判断した警察は、満足に捜査せぬままよくある自殺として処理しようとしているのだという。

突然のサラの死に疑問を感じたハロルドは、真相を確かめるため休暇と称してマンハッタンへ飛ぶのだった。

本作の特徴

マンハッタンを舞台にした推理アドベンチャー

本作では、ニューヨークのマンハッタンを舞台に複雑な人間模様に彩られた物語が展開され、プレイヤーは主人公であるハロルドを操作し、事件の行方を追っていく。

ゲーム自体はオーソドックスなコマンド選択型アドベンチャーとなっており、行く先々で関係者から証言や証拠を集め、捜査や推理に生かしていく。

そうして情報を集めていくことで容疑者をピックアップし、十分な証拠を揃えられれば問い詰めることができるように。

問い詰めるには捜査の拠点であるジャドの事務所へ行き、「容疑をかける」を選択することで可能。

容疑者と思われる人物を選び、直接対峙することになる。

ここで上手く問い詰めていくとやがて真相を話し、事件が進展していく。

3人のサラ・シ―リズ

本作ではサラ・シーリズの事件解決が目的となるが、ゲームを進めていくとマンハッタンでは短い間に同姓同名の「サラ・シーリズ」が3名相次いで亡くなっていることが判明する。

サラ・J・シーリズ
サラ・O・シーリズ
サラ・N・シーリズ

(このうちハロルドの友人なのは一番上のサラ・J・シーリズ)

しかもこの3名、いずれも高所から飛び降りて死亡しているという共通点があり、「これらは同一犯による犯行なのかそれとも単なる偶然なのか」という謎の解明も本作の目的となる。

ちなみに3名に血縁関係はなく、これといった面識もない。

が、名前と死亡状況が同じという点が事態を複雑化させており、一口に「サラ・シーリズ」と言っても、それがどの「サラ」を指すのか分からず、作中では尋ねる側と答える側に齟齬が生まれるケースが多い

そのため、プレイヤーは相手が今どの「サラ」の話をしているのか常に把握する必要がある

感想

良かった点

洗練されたミステリー

サラの死を捜査するために始まった物語が、複数のサラ・シーリズの死や複雑に絡み合う利害関係を経て、やがてマンハッタンの後ろ暗い部分に迫っていくというストーリーは非常に面白かったです。

容疑者が絞れてきてるのに、その後どのような展開になるのか最後まで想像がつかない点が特によかったですね。

なのでおぼろげに真相が見えてきても、「そうくるかぁー」と予想を裏切られることが多かったように思います。

また、登場人物やロケーションも前作以上に多く、基本的には自力で情報や人間関係を把握する必要があるので大変ですが、その分クリアした時の達成感もひとしおでした。

相変わらず刑事ハロルドとしてのロールプレイ感は秀逸と言えます。

前作から上手く改善された点

前作「マーダークラブ」との比較になりますが、本作は所々改善されている点が見受けられ、

相棒であるジャドから事件や登場人物の情報をいつでもおさらいできたり、

容疑にかける際、情報が不足していれば具体的にどこを詰めればいいか教えてくれる点

など、状況を整理しやすくなりました。

そのため捜査に行き詰まった時、ジャドの所で振り返るとひらめくことも多かったです。

悪かった点

フラグ建てがとにかく大変

分かっていたけどやっぱり大変だった部分。

本作、というよりハロルドシリーズは、丁寧にフラグを建てていかなければ先に進めないようになっています。

なので、プレイ中「あの人怪しい。問い詰めよう」と思っても、問い詰めるのに必要な証言が少しでも抜けているとダメで、怪しい人物は分かっているのにどこでフラグを建てればいいのか分からないというケースが非常に多かったです。

自分は前作総当たりでゴリ押しプレイしてしまったので、その反省を生かしてしっかりメモを取りながら進めていきましたが、上記の理由で結局総当たりになることも少なくありませんでした

ままならんなぁ・・・。

サラ(・J・シーリズ)について聞きたい

少しもにょった点。

概要でも述べたように、本作ではサラ・シーリズという名前の女性が3人出てきますが、ハロルドは聞き込みの際、基本的にサラのフルネームを用いることはありません

なので、

ハロルド「サラ(・J・シーリズ)について聞きたい」

相手「ああ。サラ(・O・シーリズ)のことね」

という風に、ハロルドが思うサラと相手が思っているサラが違うというパターンが多いです。

特に序盤は相手がサラを知っていても、それがどのサラのことなのか判別しづらいのでちょっと苦労します。

ゲーム的にはそのようにしてプレイヤーを混乱させるという意図があるのは明白で、その点は大いに理解できるんですが、

ストーリー的にはハロルドはサラという名前の人間が複数いると分かっているにもかかわらず、聞き込みでは一向にフルネームを用いないので違和感がありました。

まぁゲーム的な都合と言えばそれまでなんですが、どうしてもメタ的な部分が気になってしまいゲームへの没入が削がれる感じはしましたね。

おわりに

相変わらず骨太な推理ゲームでした。

クリア時間はおよそ8時間と大分苦戦した感じです。

特に終盤はささいなことも聞き漏らすとどん詰まることもあったのでしんどかったですね。

ただその分終わった後の達成感・疲労感は格別のものがありました。

本格的な推理ゲームを探している方には是非おすすめしたい一作です。

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