はじめに
ここでは、聖剣伝説3トライアルズオブマナをクリアした感想をつらつら書いていきます。
※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です
本作は、1995年に発売された聖剣伝説3をps4でフルリメイクしたアクションRPGとなっています。
ゲーム概要
ストーリー
世界が闇に包まれていた頃。
マナの女神は、災厄の化身であった8体の神獣をマナの剣によって倒し、それらを8つの要石(マナストーン)に封印すると、闇の脅威のない新たな世界を創造した。
世界を創造し終えると女神は大樹に姿を変え、長きに渡る眠りについた。
こうして長い間平和な時代が続いていたが、ある時要石に封印された力を利用し、世界を支配しようとする者達の手によって争いが起こり始める。
その戦火は世界に伝播、女神が築いた平和は終わりを迎えようとしていた。
本作の特徴
トライアングルストーリー
本作はゲーム開始前に、6名のキャラのうち主人公および仲間の合計3名をプレイヤー自身が選択するというユニークな方式を採用しており、この時の選択によってストーリーが変化するようになっている。
例えば主人公をデュランにした場合、自分が住む国を滅茶苦茶にした紅蓮の魔導師という魔術師を倒すため旅立つことから物語が始まる。
デュランではなく主人公をアンジェラにした場合、アンジェラはアルテナという魔法王国の王女であるが魔法が使えず、女王である母やその側近から「魔法が使えないのなら禁呪のための生贄となれ」と命令され、逃げるように国を後にし、魔法を使えるようになって周りを見返すために旅を始める。
というように、プロローグは誰を主人公にしたかで大きく異なり、その後のストーリー展開も変化していく。
また、ゲーム開始時に選択した3名はエンディングまで変えることはできず、選ばなかったキャラはストーリーで関わることもあるが、パーティメンバーにはならないため、最初の選択がゲームの展開そのものを決めると言っても過言ではない。
展開と同様に、性能面もキャラごとに大きく異なるので、最初の選択は非常に重要。
一応どんなパーティでもクリアは可能だが、メンバーによっては序盤が辛いかもしれない。
なお、キャラの初期性能は、
デュラン―物理アタッカー(剣士)
アンジェラ―魔法アタッカー
ケヴィン―物理アタッカー(格闘)
シャルロット―回復支援
ホークアイ―デバッファー兼アタッカー(シーフ)
リース―魔法・物理万能型(ランサー)
という感じ。
王道のアクションRPG
本作は95年に発売された聖剣3のリメイク作品ということもあり、ゲーム部分は王道のアクションRPGとなっている。
これといって難しい操作は要求されず、〇で攻撃(△で強攻撃)、×でジャンプ、□で回避というように、癖がなく非常にシンプル。
また、アクションゲームではある種お約束とも言える必殺技もしっかり用意されており、攻撃がヒットするとSPというステータスの下にある水色の専用バーが貯まり、これが一定以上になると発動が可能。
以上のように、アクション部分はオーソドックスな作りとなっており、アクションゲームをプレイしたことがあるなら、違和感なくゲームに入っていけるだろう。
成長システムとクラスチェンジ
本作ではレベルアップすると最大HPとMPが上がり、さらに育成ポイントが付与される。
このポイントを使い、力・守・知性・精神・運を強化し、キャラを育成していく。
このポイントが一定以上溜まると、新たなスキルを習得したり特定のパラメータが上昇したりと恩恵があり、後述のクラスチェンジにもある程度関わってくる。
どのような役割を持たせるかにもよるが、基本的に物理が強いキャラは力に、魔法が得意なキャラは知性や精神にポイントを振り分けていくことになるだろう。
また、本作はクラスという概念が導入されており、一定以上のレベルに達する、あるいは特定のアイテムを使うことで上位のクラスにチェンジすることが可能。
最初はクラス1からスタート。
クラスチェンジすると、
・パラメータ上昇
・通常攻撃の手数アップ
・新たな能力習得
・必殺技追加
などチェンジ前と比べると強化点が多い。
また、クラス2以降には光クラス・闇クラスという2種類のクラスが存在する。
これは簡単に言えば、クラスに内包されるタイプのようなもの。
例えばデュランならクラス1はファイター、クラス2はナイト(光クラス)、グラディエーター(闇クラス)という感じ。
繰り返しになるが、光と闇はクラスそのものに内包されているため、ナイト(闇クラス)やグラディエーター(光クラス)というものはない。
一見それがどう影響するのかと思うが、光と闇の違いは役割的な意味で大きく、基本的には光クラスは回復やバフが得意、闇クラスは火力やデバフに優れている。
再度上の例えで言うなら、デュランのクラス2であるナイト(光クラス)はクラス1でできなかった回復魔法が使えるように、グラディエーター(闇クラス)は敵の弱点を突くことに優れ、クラス1以上にアタッカーとして特化できるという具合。
なお、光も闇も便宜上の分類であって、そこには性能面での違いしかなく、光クラスになると善玉キャラに、闇クラスにチェンジすると悪になるという類のことは一切ない。
本作は最初に選んだキャラ3人で最後までやりくりしていくことになるため、各キャラどういうクラスにチェンジさせるかというのは、役割面で非常に重要となる。
感想
良かった点
ゲームテンポの良さ
本作はサブクエの類が一切なく、(ツッコミどころは多いものの)ストーリーも特に中だるみなく進んでいくため、非常にテンポがいいです。
バトル部分も雑魚戦は早ければ10秒、遅くても数十秒というようにサクサク進み、レベルもポンポン上がるのでかなり快適。
その上マップも広すぎず複雑すぎずといった塩梅で、これといってストレスも感じませんでした。
というように、ユーザビリティの配慮はできていたように思います。
グラフィックとBGM
現行ハードでしっかりと作られているだけあって、グラフィックとBGMは非常によかったです。
グラフィックに関しては、リアルかつ綺麗ながらも原作の雰囲気を壊さないようデフォルメ調になっており、ファンタジーな世界観の創出に一役買っていました。
特に黒耀の騎士のデフォルメながらも王道でかっこいい造形は滅茶苦茶刺さりましたね。
また、BGMに関しては原曲と比べて余計なアレンジを加えず、かといっていい部分を切り捨てずといった感じで非常に原曲に忠実で丁寧な印象を受けました。
本作では設定で原曲に変更することが可能ですが、これはファンへの配慮である点はもちろん、リメイク版のBGMに自信があるからなんだろうなと思います。
原曲と比べられることを避けるどころか、むしろ聴き比べて互いの良さを知って欲しいんだろうなぁとすら思えました。
そう推し量れるぐらいよくできてましたね。
この2点に関しては文句のつけようがなかったです。
悪かった点
良くも悪くも忠実なストーリー
一番気になった点。
自分は95年版の聖剣3をやったことがないので確かなことは言えませんが、ツッコミどころも忠実に再現しているんだなと思う部分が多かったです。
「リメイクなんだから別にいいだろ」と言われるとその通りなんですが、フォローのやりようはあったんじゃないかなぁと。
特にフェアリーの行動方針が基本行き当たりばったりで一周回って面白かったですね。
そのせいで終盤大ポカやらかしてたのは流石にオイオイって感じでしたが・・・。
フェアリー関連はもっとフェアリーの心の声みたいな内面が分かる描写が都度あればよかったと思います。
何を思ってそんなことすんの?ってシーンが多かったですし。
他にも各国の問題アリアリの警備体制や、闇堕ちした父親の勧誘に簡単に釣られるデュランとそれを見ながら止めもしない仲間など、ツッコミどころは挙げればキリがありませんが、これ以上は長くなるしファンタジーに突っ込みすぎるのもアレなのでこの辺に留めます。
ランダム性のあるクラスチェンジアイテム
ゲーム部分では一番ダメだと思った点。
本作はクラス2まではレベルアップだけでクラスチェンジが可能ですが、3以降は要求レベルに加え、特定のクラスチェンジアイテムが必要となります。
それは別にいいんですが、このアイテム、入手方法がなんとランダムです。
というのも、クラスチェンジアイテムは直接入手することができず、敵や宝箱から獲得できる「???の種」というアイテムを植木鉢に植え、そこからランダムで手に入るという妙にめんどくさい代物になっています。
「ランダムなら目当てのアイテムが出るまでリセマラすればいいじゃん」と思うかもしれませんが、質の悪いことに???の種は入手した瞬間から中身のアイテムが決まっているため、いくらリセマラしても意味がありません。
これは本作独自の仕様ではなく、どうやら95年版の方も同じらしいです。
こんなところもしっかり再現してるんですね・・・。
なので、下手な鉄砲数打ちゃ当たる理論でとにかくこの種を片っ端から集める方法が最適解という有様になってます。
自分の場合、アンジェラとシャルロットは割とあっさり目当てのアイテムが出ましたが、デュランは沼ってしまい、デュランのみ神獣8体のうち4体目までクラス2で戦ってました。
なので2と3ではこうも違うんだなぁと身をもって思い知らされましたね。
というように、ただただしんどいだけだったので、この部分は再現よりも緩和を優先して欲しかったです。
おわりに
クリア時間は18時間半とRPGにしてはやや短めでした。
本作は完全新作ではなく、20年以上前のゲームを忠実にリメイクしたものなのでこの点に関してはしょうがないですね。
ただ、クリア後も少しながらストーリーは用意されていますし、裏ボス攻略やクラスコンプといったやり込み要素や、別のパーティ3人で2周目を始めるなど、その気になれば40時間近く遊べると思います。
やり込むつもりならフルプライスのゲーム以上にボリュームがあると言っていいでしょう。
また、3というナンバリングがついていますが、過去作とストーリーは繋がっておらず、以前の作品をプレイしていないとついていけないということもないので、過去作未プレイでも問題なく楽しめます。
かくいう自分がそうだったので、この点は声を大にして言いたいですね。
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