はじめに
ここでは、『スーパーロボット大戦30』をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※ストーリーの核心部分には触れていませんが、クリア後の観点から書いているのでややネタバレ注意です
本作は、2021年に発売されたスパロボ30周年記念作品で、シリーズとしては『T』以来2年半ぶりとなる新規タイトルとなっています。
30年という節目を迎えてか過去作とは一味違う要素が盛り込まれており、戦闘や育成などの根本部分こそ変わっていないものの、プレイ感覚としては大分様変わりした印象を受けました。
新しいスパロボ像を打ち出してきたという感じです。
ということで前置きもほどほどにしつつ、以下本題。
ゲーム概要
ストーリー
一時の平和が過ぎ去り、再び戦火が宇宙全体に広がっていた時代。
各地を放浪していた主人公は、とあることがきっかけで「ヒュッケバイン30」という謎の機体と出会い、半ばなし崩し的にその機体に乗り込み、軍事基地を強襲してきた敵勢力と交戦。
「ドライストレーガー」という戦艦と共にこれを撃退することに成功する。
その後艦の艦長であるミツバとその上官であるファイクスの要請により、ヒュッケバインのパイロットに選出される。
こうして成り行きからドライストレーガーに同行することになった主人公は、仲間とともに平和のための戦いに身を投じていくのであった。
本作の特徴
ロボット達によるダイナミックなシミュレーションRPG
本作、というよりスパロボシリーズは、各作品からロボット達が一堂に会し戦うシミュレーションRPGとなっている。
参戦作品は以下の通り。
(新規参戦)
・勇者警察ジェイデッカー
・覇界王~ガオガイガー対ベターマン~
・ナイツ&マジック
・SSSS.GRIDMAN
(参戦経験あり)
・超電磁ロボ コン・バトラーV
・機動戦士Zガンダム
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
・機動戦士Vガンダム
・重戦機エルガイム
・コードギアス 復活のルルーシュ
・真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日
・劇場版 マジンガーZ / INFINITY
・魔法騎士レイアース
・ガン×ソード
・銀河機攻隊 マジェスティックプリンス
(機体だけ参戦)
・機動戦士ガンダム
・Z-MSV
・M-MSV
・勇者王ガオガイガーFINAL
・コードギアス 反逆のルルーシュⅢ 皇道(作品としては新規参戦)
・マジンカイザーINFINITISM(作品としては新規参戦)
これらの作品に登場するキャラやロボット達がこのゲームを彩る。
タクティカル・エリア・セレクト
本作独自のシステム。
『スパロボ30』では、従来の作品とは違い、自動的に進むほぼ一本道のストーリーではなく、ミッション選択により、ある程度自分でストーリーのルート構築ができるようになった。
これにより、ミッションの選択順によって加入するキャラや機体が前後したり、ストーリーの流れが一部変化したりする。
メインミッションとサイドミッション
ミッションは大きく分けてメインミッションとサイドミッションの2種類に分かれている。
メインミッションは、ストーリーを進めるためにクリア必須のミッション
サイドミッションは、特に必須ではないものの、クリアすると一部キャラや機体が加入することがあるミッション
というように、必須のメイン・寄り道のサイドという風に区分されている。
なお、各作品の主要機体は、クリアしたミッションの順番次第で多少入手時期が前後するが、メインを進めるだけでも自然と全員加入する。
そのため、効率重視でメインミッションだけ進めるか、それとも仲間を増やすためにサイドミッションもこなしていくかなど、プレイヤーによって異なるプレイスタイルでゲームを進めていくことが可能。
遺跡ミッション
メインともサイドとも違うミッション形態その1。
ストーリー上クリア必須でもなく、これといってキャラや機体が加入するわけでもないが、クリアすると貴重な強化パーツや資産が入手できるミッションのことを遺跡ミッションという。
遺跡ミッションは出てくる敵のレベルが固定であり、場合によっては敵が格上で倒せない可能性もあるというある種の高難易度コンテンツ。
逆に言えば、レベルを上げさえすればなんとかなる場合も多いため、強くなったら挑戦するぐらいのつもりで〇。
戦線ミッション
メインともサイドとも違うミッション形態その2。
戦線ミッションとは、所謂「稼ぎ専用のミッション」のこと。
遺跡ミッションのようにクリアしても特に報酬はないが、代わりに何度でも挑戦可能であり、レベル上げや資金稼ぎに持ってこいのミッションとなっている。
感想
かなりボリューミー
(DLCなしの純粋な本編だけの感想です)
プレイスタイルにもよりますが、本作は非常にボリュームがあります。
タクティカルエリアセレクトという事実上のミッション制の導入によって戦闘する機会が格段に増えているので、しっかりやれば相当長く遊ぶことが可能です。
自分の場合、
戦線系を除くミッションはほぼ全てクリア
&
隠しキャラ・隠し機体全入手
までやった結果、クリアタイムは66時間30分でした。
難易度ノーマルで戦闘演出は割と飛ばしてこれです。
戦線ミッションは一種のエンドコンテンツ的な要素もあるので、それもしっかりやったらおそらく70時間近くいったんじゃないかと。
いやーここまでガッツリ遊んだスパロボはおそらく初めてでした。
1本で長く遊べるゲームを探しているのであれば、本作は自信を持っておすすめできます。
良質なクロスオーバー
作品ごとのクロスオーバーは、全体的に熱くて印象に残りました。
特にジェイデッカーとグリッドマンのクロスオーバーやそれら2作品にまつわる話は、大体どれもクオリティが高くて面白かったですね。
直球ど真ん中の王道ロボットもの同士がコラボとかつまらないわけないんだよなぁ。
ぶっちゃけジェイデッカーは、恥ずかしながらその存在すら知らなかったんですが、本作のおかげでいつか絶対全話見たいと思わせる面白さでした。
あと、今回参戦した作品で前々から好きだったのは、コードギアスやガンソード、マジェプリなどがあるんですが、ギアスはいるだけ参戦感が強いだろうなぁと思ってたら意外とストーリーに絡むことが多くてよかったです。
というかストーリーの設定上、アクシズ落としとゼロレクイエムが同じ年に起こったとか激動の時代過ぎて笑える。
30世界の人類はたくましいですね。
でも年下のミツバにどころか、エンジェル・ハイロゥに母性を感じ始めるシャアは素直に気持ち悪いと思った。
新規プレイヤーに配慮した難易度
今作は新規プレイヤーに配慮している部分が多かったように思います。
・チュートリアルが豊富
・厄介な敵や強敵が出てきた場合、「あの敵は側面から回り込もう」とか「範囲攻撃をしてくるから散開して戦おう」というように、キャラが会話の中で事前にアドバイスしてくれる
・SRポイントがなくなった
など、『30』からスパロボを始めても一切問題ない仕上がりになっていました。
特にSRポイント削除は大分思い切ったなと。
ポイント取得条件を満たすために色々試行錯誤するのも面白かったですが、ポイントのために不自由なプレイングをしなきゃならないことも結構ありましたしね。
難易度も幅広く選べる上に、ノーマルでも普通に無双プレイができるので、今作はかなりとっつきやすくなっているんじゃないでしょうか。
スパロボ初めての方には是非とも触ってみてほしいところ。
悪かった点
オリジナルキャラが薄味
今作はオリジナルキャラ(以下オリキャラ)の印象が大分薄く感じられました。
味方だけでもオリキャラは10人ぐらいいるのに、出番が多いのはその内数キャラだけです。
特にメカニックやオペレーターなんかは印象がかなり薄く、突然出てきて「お、新キャラか」と思ったら「あ、最初からいた奴ね」ってなることがちょいちょいありました。
しかも出張るキャラも、版権キャラとガッツリ絡むわけではないのでなおのこと印象が薄かったように思いますね。
まぁオリキャラ周りに関しては、結構デリケートな部分もあるのでバランスとるのが難しいのは分かりますが。
60時間以上かけてクリアしたものの、正直ちゃんと名前覚えてる味方キャラはエッジ/アズ、ミツバ、レイノルドぐらいしかいませんでした。
「目標、インレンジ!」のオペレーターの子と技術主任みたいな女の人は、この文書いてる時には名前出てきませんでしたすみません。
※オペレーターの子はリアン、技術主任はメイヴィー
メイヴィー覚えてないのは流石にダメですね。出番多いのに。
あ、敵のカールレウムとオルキダケアはちゃんと覚えてます。
主人公の後継機が手抜き
オリジナル部分という点で言えば、主人公の後継機も残念でした。
はっきり言って手抜きを感じたレベル。
まさか背部に追加武装ちょろっとついただけで終わりとは・・・。
しかもアニメーションも個人的にはあんまり「おお」とは思わなかったですね。
動きがあるわけでもエフェクトが派手なわけでもない大人しい感じで見応えがなかったなと。
歌は気合い入ってるし性能自体は結構強いだけに余計残念でした。
あと機体とは関係ないんですが、男主人公であるエッジの軟派な所がある性格設定がほぼ死んでた気がします。
変に属性盛らずに普通に金好き風来坊キャラでよかったと思う。
出撃機体数が少ない
ゲーム部分で一番感じた不満。
スパロボではいつものことではありますが、使える機体に対して出撃できる枠があまりにも少ないです。
特に中盤は使いたい機体・育てたいキャラがどんどん増えていくのに、少ない場合は12機、多くても15機までしか出撃の枠がなくて何度も歯がゆい思いをしました。
その関係上、各作品の主役キャラすら全員出せないことも割とあったのは流石にどうかと思いましたね。
おかげでせっかくの特典機体であるサイバスターやSRXはお留守番が多かったです。
難易度の関係もあるとは思いますが、やっぱり18機ぐらいをデフォルトにしてほしかったなと。
それでも足りないくらいですが。
探すのが面倒な哨戒任務
個人的には改悪だなと思った点。
今作ではサブオーダーがなくなり、哨戒任務はマップ画面から自力で探さなければならなくなりました。
任務の旨味自体は増しているとは言え、シンプルに面倒です。
その上どこで発生しているのかが一目で分からない仕様になっているわ、誰が任務に出るか自分で選べないわでまぁストレスでした。
そんな感じなので、今作はこまめに哨戒目当てでマップを見回るか実際に戦闘に出すかでもしないとエース量産がやりづらくなってます。
というかプレイヤーがこうやって哨戒任務を求めて各地を見回ることがもはや哨戒みたいなものだと思うんですが、スタッフさんどう思われますか?
やっぱりサブオーダーは残しておいて欲しかったですよほんと。
おわりに
以上、『スーパーロボット大戦30』のクリア後レビューでした。
ストーリーの進行方法に大きくメスが入り、これまでとは違うスパロボ像を提示した全く新しいスパロボです。
ミッション制は賛否あるみたいですが、自分は大いに評価したいですね。
もし次回作があるのなら、次もこれで行ってほしい。フラグミスはたまにありましたけど。
という感じで不満な点も結構ありますが、総評としては、密度の濃いボリュームと面白さでシンプルにプレイしてよかったと思える作品でした。
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