『探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.5「昏い匣の上」』クリア後感想 新主人公が登場する5作目/が、出来栄えはシリーズの中でも下位クラス

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画像出典:My Nintendo Store
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はじめに

ここでは、『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.5「昏い匣の上」』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

本作は癸生川シリーズ第5作目にあたる作品で、新たに登場したライターの「弥勒院蓮児みろくいんれんじ」を主人公に据えた物語が展開されます。

とあるマンションでまことしやかに噂される都市伝説を聞きつけた弥勒院。

噂を眉唾程度に思っていた弥勒院でしたが、そのマンションで本当に殺人事件が起こってしまい・・・。

果たして都市伝説は本当なのか?8年前の呪いとは何なのか?

ということで、以下詳述。

ゲーム概要

ストーリー

シナリオライター王生いくるみの友人である弥勒院蓮児。

弥勒院は、オカルト系のフリーライターとして名の知られた人物であり、その夜も取材のためとあるマンションを訪れていた。

そのマンションには、8年ほど前から「赤いエレベーター」という都市伝説が噂されているらしく、深夜に1階からエレベーターを呼ぶと、立入禁止の屋上からエレベーターが降下し、それが開くと内部は真っ赤な血で染められているというのだ。

その都市伝説を調べるため、件のマンションで取材をしていた弥勒院だったが、マンションの住人達は「8年前に起こった事件が原因でエレベーターが呪われている」と信じており、弥勒院の取材に応じようとしない。

すると、住人の中に弥勒院と同業であるフリーライターの岩城という女性がおり、聞くと彼女は「8年前の真実を掴んだ」という。

その話を聞くため、岩城と取引をした弥勒院。

だが、彼女は弥勒院の取材に応じる前に、都市伝説を思わせるような形で無惨にも殺されてしまう。

果たして8年前の真実とは何なのか。

弥勒院は事件の当事者として、その謎を追っていく。

本作の特徴

オーソドックスなテキストアドベンチャー

癸生川シリーズは、コマンドを選択しながら進めていくタイプのオーソドックスなテキストADVスタイルのゲームとなっている。

・見る
・話す
・調べる

といったコマンドを駆使し、事件の捜査を進めていく。

新キャラを主人公に据えた物語

今作の主人公は、王生の友人である「弥勒院蓮児」

オカルト系のフリーライターとして業界では有名であり、大きな事務所を構える。

今回から新たに登場したキャラでありながら、今作ではプレイヤーの分身として事件の謎を追う

感想

良かった点

スプラッターホラーなテイスト

今作は都市伝説を下敷きとした物語が展開されるため、ホラーテイストが強いです。

癸生川シリーズはグロいテキストが意外と多いですが、今作はシリーズでもトップクラスにスプラッターな感じのテキストが随所に見られます。

これが導線としてよくできており、いつもとは一風変わったテイストであることも相まって、序盤から一気に引き込まれました

人によっては好き嫌いが結構分かれる部分かと思いますが、自分は好きでしたね。

ただ、最初のうちは面白いんですが、話が進んでいくごとに・・・。

悪かった点

捻りがなさすぎる事件

癸生川が出張るまでもなかった気が・・・

テイスト自体は面白い今作ですが、残念ながら事件自体はそこまで難しいわけではありません。

むしろ簡単な部類であり、なおかつ特に捻りもないので早い段階から犯人が分かってしまうほどでした。

ミスリードを誘ってるのかと疑ってたレベル。

そもそも容疑者も二人しかいませんしね・・・。

主人公が弥勒院という、探偵とは縁遠いキャラであるが故にすんなり解決はしなかったものの、これが伊綱とか王生であったらかなり早い時点で事件解決していただろうなと思います。

まぁ作中でも癸生川が、「一見不可思議に見えるが、からくりが分かればチープな事件」という趣旨の発言をしていましたが、あまりにもその通り過ぎて拍子抜けだったなというのが率直な感想です。

シリーズとしては完成度が低い

上で挙げた部分と少々被りますが、今作は癸生川シリーズの中でも完成度は低いです。

・推理要素がほとんどなく劣化
・新キャラを主人公にした意義があまり感じられない
・ボリュームは1時間半程度と短い

というようにちょっと粗が目立ちます。

特に新キャラを主人公に据えるというこれまでとは大きく形を変えた試みを行ったのに、事件のテイストがちょっと違う程度で、ゲームの中身自体は良くも悪くもあまり変わらないのは残念でした。

マンネリ脱却を図ったんだとは思いますが、正直全然できてなかったなと。

むしろ新キャラ紹介のための話に30分近く使ったおかげで、肝心のメインとなる事件に皺寄せが行き、クオリティが下がっているように感じました。

別に新キャラが嫌いというわけではないんですが、上手く使えてない感は正直かなりありましたね。

おわりに

以上、『G-MODEアーカイブス+ 探偵・癸生川凌介事件譚 Vol.5「昏い匣の上」』のクリア後レビューでした。

一言で言ってしまえば色々と残念な作品でした。

癸生川シリーズの中でも下から数えた方が早い出来であったように思います。

新キャラ2名のイントロダクション的な作品だと思うしかありませんね・・・。

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