はじめに
ここでは、ゼノブレイド2の追加エピソード「黄金の国イーラ」をクリアした感想をつらつら書いていきます。
※クリア後の観点から書いているのでネタバレ注意です
イーラ編は本編から500年前の時代を描いた前日譚で、直接本編に繋がる物語となっています。
そのため、2本編のネタバレも多分に含まれているのであらかじめご了承ください。
ちなみに本編のレビューはこちら
ゲーム概要
ストーリー
本編より500年前。
マルベーニによって目覚めた天の聖杯・メツは、争いを繰り返す人間を見限り、世界ごと人間を滅ぼすべくアルスト全土に攻撃を開始。
アルストは滅亡の危機に晒されていた。
それからしばらく。
ラウラとそのブレイドであるシンは、ある日イーラ王国の王子アデルとそのブレイドでもう一方の天の聖杯・ヒカリと出会う。
アデルはメツ討伐のための軍勢を伸ばすべく各地を外遊しており、ラウラ達にメツ討伐の協力を持ちかけると、二人はこれを了承。
そしてアデルとは旧知の仲であり、スペルビア現皇帝のユーゴもこれに加わると、徐々に戦いの機運が高まっていく。
こうして後に数々の禍根を残すことになる聖杯大戦が始まろうとしていた。
イーラ編の特徴
進化した戦闘システム
戦闘システムは2本編をベースに大きく進化。
前衛・後衛
本編では攻撃役をドライバーが、サポート役をブレイドが、というように立場によって役割が線引きされていたが、イーラ編では前衛・後衛という概念が導入されており、
ブレイドもドライバーのように攻撃役に回り(前衛)、
ドライバーもブレイドのようにサポート役に回る(後衛)
というお互いがお互いの役割をスイッチして戦うことができる。
ちなみに武器はスイッチせず、ドライバー・ブレイドともに固有の武器で戦う。
(ラウラは自ら編んだ紐、シンはお馴染みの長剣)
リザーブHP
ダメージを受けるとそのダメージが赤いバーとして表示されるが、この状態でスイッチすると赤いバー分のHPを回復できる。
この赤いバーをリザーブHPという。
これにより、ダメージを受けても即座に後衛とスイッチできれば、ある程度のリカバリーが可能。
後述するが、イーラ編では基本的にラウラとカスミしかヒーラー役ができないため、このリザーブHPの管理が重要となる。
なお、リザーブHPを犠牲にして発動できるアーツもあり、状況によっては攻めにも活用可能。
タレントアーツ
通常のアーツとは別にそのキャラのみが持つ固有のアーツがある。
これをタレントアーツという。
例えば
ラウラのタレントアーツは、HPを半分にして自分の全てのアーツを即時使用可能にする
シンの場合は、リザーブHPと引き換えに自分のステータスをアップさせる
という感じ。
付けやすくなった属性玉
本編では決められた通りにブレイドコンボを繋げて初めて属性玉を付与できるが、イーラ編ではブレイドコンボが発動した時点で属性玉が付く。
(本編だと火→水→土で土の属性玉一つだが、イーラ編だと火→水→土で火・水・土の属性玉一つずつという感じ)
これにより、どこからのどんなルートでも属性玉を付けられるようになっている。
チーム制
イーラ編ではドライバーとブレイドが完全に固定されており、オーバードライブもできないが、その代わりにチーム制を採用。
内訳はドライバー1名、ブレイド2名が1単位で、計3チームでパーティーが構成される。
当然、チームが違えば特徴も異なっており、
チーム・ラウラはアタッカー兼ヒーラー型
チーム・アデルは攻撃特化型
チーム・ユーゴはヘイト兼タンク型
というようにチームで一つの役割を担い、他のチームと連携していく。
繋ぎ、繋がるヒトノワ
特徴的なクエストシステム。
依頼者からのクエストを達成するとその依頼者と関係ができ、そこから別の依頼者に繋がっていきクエストが増えていく、という繋がりを可視化したものがヒトノワ。
ヒトノワにはレベルがあり、人との繋がり―クエストの達成数によってレベルが上昇するとともに、より上のクエストが受けられるようになる。
感想
良かった点
2に繋がるストーリー
前日譚ということもあり、しっかり2に繋がるストーリーでした。
2本編を結果とするなら、イーラ編は原因の物語という感じで、本編をプレイすると漏れなく出てくるであろう
・シンの過去はどのようなものだったのか
・ラウラとは、アデルとはどういう人物だったのか
・500年前、イーラで何が起こったのか
・どのような経緯でホムラが生まれたのか
というような疑問に対して答えが示されていたのはよかったです。
イーラ編を彩るキャラ達
自分の備忘録も兼ねて簡単にメインキャラの感想も書いていこうと思います。
シン
追加エピソードにおける主人公。
今も昔もドライバーに対する愛が重いブレイド。
本編だとそうでもなかったんですが、イーラ編をやるとかなり愛着が湧いたキャラでした。
本人は一つも悪くないのに事態がどんどん悪い方向に進んでいくのがお辛い。
あとイーラ編をプレイした後で本編をやると、シンってかなり表情豊かなんだなぁというのが分かります。
ラウラ
シンのドライバーでもう一人の主人公。27歳
本編での回想からも分かるように、イメージ通りの明るく優しいお姉さんという感じでした。
武器を買うお金がないからという理由で、武器を受け渡して戦うという後の時代では当たり前となる戦闘スタイルを編み出したパイオニア。
ある意味偉人ですね・・・。
カスミ
ラウラのブレイド。
ファン・レ・ノルンではなく本来のカスミ。
性格はラウラに似て明るく、お化けが怖くて恋愛話に興味津々というかわいらしい一面も。
ラウラと仲良しな上に同僚にあたるシンとの関係も良好だっただけに、本編のあの結末がより悲壮感を際立たせます。
おのれマルベーニ。
ヒカリ
500年後でも仲間になるブレイドその1。
イーラ編では目覚めてから日が浅い天の聖杯。イキリ単細胞
本編以上に当たりがキツいものの、その分ポンコツなのでなんかマイルドな感じに。
でも優しいところは相変わらず。
あとホムラ誕生の経緯が想像の数倍えぐかった。
アデル
本編でも思念として度々出てきたヒカリのドライバーにして後のクソダン制作おじさん。
ヒカリの人格形成に大きな影響を与えていました。
作中屈指の人格者なのに、国を失い、家族を失い、仲間を失い、パートナーのブレイドは自らの手で封印しなければならないという、結末だけみればパーティ内でも屈指の悲惨さにただただ泣けてきます。
よく闇堕ちしなかったなぁ。
シンも辿った経緯はアデルと似ていますが、人間かブレイドかという違いはやっぱ大きいですね。
シンの場合、人より遥かに長生きな上に自ら死ぬこともできなかったわけだし。
ミノチ
本編ではヨボヨボのおじいちゃん、500年前はニヒルなナイスミドルとギャップが印象的。
流石マルベーニのブレイドなだけあって、彼の本質には気づいていた模様。
立場的にはある意味同じであるメツを見て何を思ったんでしょうか。
ユーゴ
ご先祖なだけあってネフェルと瓜二つなスペルビア皇帝。
皇帝でありながら、「皇帝はドライバーとして前線で戦わなければならない」という宿命を背負わされた難儀なお人。
普段は真面目で落ち着いた人ですが、こと戦闘になると、
思”い”上”が”る”な”!
皆”さ”ん”は”私”が”守”り”ま”す”!
とテンション上がるのが印象的。
カグツチ
500年後でも仲間になるブレイドその2。
性格や立ち居振る舞いは本編とそこまで変わってない感じ。
でもヒカリと反りが合わなかったのはこの頃からのようで、戦闘後の会話でヒカリとひとしきり口喧嘩した後お互い「ふん!」って言うのがかわいかった。
イーラ編では開眼せず。
ワダツミ
500年後でも仲間になるブレイドその3。
カグツチ同様、本編とほとんど変わらない性格。
が、実は料理が得意だったり、ナチュラルに女性陣の会話に加わったりするなど、本編では見られなかった意外な一面も。
サタヒコ
ミノチと同じく、こちらも本編とのギャップがすごいキャラ。
実の親から身売りされ、売られた村は盗賊の襲撃で壊滅と、ラウラをも凌ぐハードな過去が明らかに。
そのためか幼いながらどこか厭世的。
というか生い立ちは全キャラ含めても断トツ悲惨だと思う。
ミルト
グーラ人の少年。
本編だと回想でも未登場の新キャラ。
アデルを尊敬し、ヒカリとは諍いが絶えない普通の男の子ですが、
ヒカリを危険視するミノチの警戒心を解いたり、
サタヒコの後の人生に影響を与える言葉を投げかけたり(俺達はどんな時でも笑っていよう的なこと)、
ホムラ誕生のきっかけを作ったり、
と地味に重要な役割を担っていました。
セイリュウ
お馴染みじっちゃん。
巨神獣なので500年前でも外見はほぼ変化なし(背中の毛がちょい少ない?程度)。
アデルとは勝手知ったる仲でイーラの人々にもその存在を知られていたあたり、イーラとの繋がりは強かったんだなぁという印象。
作中のキーマンと関わりが深い重要人物ではあるものの、出番が少なかったのが残念。
メツ
ご存知もう一方の天の聖杯。
イーラ編でもラスボスを担当。
言葉は分かるけど話は通じないという感じで、かなりの危険人物として描かれていました。
ただメツも望んでそうなったわけじゃないんだよなぁ。
おのれマルベーニ。
マルベーニ
メツとミノチのドライバー。
言わずもがな諸悪の根源。クソ坊主
この頃は法王ではなく、助祭枢機卿という幹部クラスだった模様。
現在進行形で自分のブレイド(メツ)がやらかしてるのに、あそこまで自由に単独行動できるのはすごいと思った。
普通なら幽閉されてもおかしくないのに。
本人の功績のすごさとか立ち回りが上手かったんでしょうね。
事態の収拾に動く中、裏では自らの思惑通りに事を進めていく様を見ると、イーラ編はマルベーニが成り上がる物語とも言えます。
悪かった点
クエスト消化の強制
イーラ編ではストーリーを進める際、ヒトノワが一定レベルにまで上がっていないと足止めされる箇所が2カ所あります。
つまり、クエストを一定数消化しなければならないポイントが2回あるということです。
これは止めてほしかったですね。
ストーリーのボリュームをかさ増ししてる感がすごくありました。
クエストの面倒くささは本編から大分改善されてるだけにもったいない。
いやむしろ強制消化を見越して改善したのかなとすら思えてしまいます。
一部疑問のスルー
個人的にユーディキウム関連や、シンとメツが再会する経緯が描かれるのを期待してたんですが、どっちもなかったのは残念でした。
特にユーディキウムは本編でも
「大国イーラと双璧をなした」
とか、
「マンイーター技術発祥の地だった」
とか重要なことが語られていたのに、イーラ編ではユーディキウムのユの字すら出てこなかったのは正直ガッカリ。
シンと絡める形でユーディキウム周りの話はあると思ったんだけどなぁ。
尺の都合仕方なかったという事情は分かるものの、やっぱり気になってしまいますね。
おわりに
ストーリーの展開上どうしてもシリアス成分が強いものの、本編に負けず劣らずといった感じで非常に面白かったです。
一部水増しもありますがDLCとは思えないボリュームで、自分はクリアに21時間49分かかりました。
モノリスソフトさん相変わらずの気合いの入れようです。
ちなみに、自分は2をクリアした後も、どう足掻いても悲しい結末になるイーラ編はやる気になれずスルーしてたんですが、1年経って
「イーラ編やった後本編2周目始めたらよくね?」
という慧眼ことに気づき、ようやくプレイという形になりました。
・・・どうでもいい余談ですねすみません。
とにかく、本編が好きな方なら間違いなくハマると思います。
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