『Heaven Dust』クリア後感想 デフォルメ版バイオハザードなゲーム/良くも悪くもインディーズな仕上がり

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画像出典:My Nintendo Store
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はじめに

ここでは、『Heaven Dust』をクリアした感想をつらつら書いていきます。

本作は2020年にOne Gruel Studioという所が開発したサバイバルホラーで、取り残された主人公(男性)が、ゾンビだらけの洋館から脱出するというどこぞのバイオハザードのような作品となっています。

調べるとパクリとかではなく、どうやらバイオをリスペクトして製作されたとのこと。

ただしあちらとは違い、デフォルメされたデザインでどことなくかわいらしさがあり、なおかつ本家のようなラジコン形式ではなく俯瞰視点で操作するというのが大きな違い。

サバイバルなホラーではあるけど特に怖くはないという不思議なテイストが特徴です。

ということでまずは概要から。

ゲーム概要

ストーリー

1998年。

ゾンビが蔓延る洋館に閉じ込められた主人公は、洋館からの脱出を目指し動き始める。

そしてその過程で、ゾンビの原因となったウィルスの存在やこの洋館で行われていた研究について知っていき・・・。

本作の特徴

バイオフォロワーな作品

本作はバイオハザードを意識した作品となっている。

パッと挙げられるだけでも、

・舞台はウィルス汚染によってゾンビが蔓延る洋館(研究所)

・至る所で落ちているファイルや日記を閲覧することで、ここで起きた出来事や謎を追っていくストーリー

・アイテム所持の仕様やハーブで回復or調合、利用者の利便性を微塵も考慮していない仕掛けなどいかにもバイオ感溢れるゲーム性

など、バイオ(初代)にインスパイアされたであろう部分が多い。

緑と赤の薬草を調合すると完全回復できるとかまさに・・・

感想

良かった点

手堅くまとまったバイオライク

バイオライク全開なゲームですが、内容自体は結構ちゃんと作られており、個人的には割と好印象でした。

・弾薬の都合上殲滅プレイが難しい

・謎解きはなかなかに骨太

・所持アイテムの管理はバイオ同様苦慮する

・「それっぽい」設定や読み物が多い

・最後は爆破オチ

など、開発スタッフがバイオ好きなことは伝わってきます

特に謎解きはそれなりにヘビーです。

舐めてかかったら詰まることも少なくありませんでした。

まぁ正直言ってしまうと真新しさとかは特に感じないんですが、バイオらしさは随所にしっかりと感じられるので、クオリティ自体は決して低くはないかと思います

プレイヤー有利の仕様がある

プレイしていれば自ずと気づくんですが、このゲームにはプレイヤー有利の仕様が存在します。

何かと言うと、「セーブデータをロードすると、セーブした場所からではなく最後にアイテムボックスを開いた部屋から再開する」というもの。

※セーブ自体はいつでもどこででも可能

もちろん、セーブ時点での進行状況やアイテム所持数は保持したままの再開となります。

この仕様を利用すれば、

ある程度進んだところでセーブ

データをロードすると最後にアイテムボックスを開けた部屋から再開

というように、事実上のファストトラベルが可能です。

これにより、探索の帰り道のショートカットや、敵に囲まれた時の緊急避難といった手間暇のカットやーリスクでの撤退ができ、かなり楽にゲームを進められました。

本作は端から端に移動することも少なくなく、その上狭い所に敵がわんさか出てくるので、この仕様には何度も助けられましたね。

悪かった点

翻訳の質が低すぎる

一番いただけなかった点。

本作は海外発(おそらく中国?)のゲームなため、日本発売にあたってローカライズされているんですが、これがかなりクオリティが低いです。

どれくらいのレベルなのかは、下の引用(eshopの販売ページ)を見てもらえれば一発で分かるかと思います。

※ほぼネタバレ同然のあらすじなのでご注意ください

ニューギニアの血液寄生生物「ヘヴンダスト」をきっかけに様々な事件や争いが起きました。結局、「オウムガイ国際」というバイオテク会社の子会社の「スターダスト製薬」が「ヘヴンダスト」を暗にアメリカまで持っていき、研究を続けました。研究目的は人体の代謝能力と自己回復の能力を高めて、最後には永生不死の状態に至ることです。しかし、研究中ではずっと怪物を育成してしまう悲劇を繰り返し続けました。最後に、洋館のふりをしたこの秘密研究基地が、主役ともう一人のミスティックな協力者と共に、神秘で恐ろしい表象を剥がして、このシリーズの事件も終わらせて……

だが、更に大きい陰謀と事件の根回しはもう既に進んでいます……

https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000031910.html

ゲームでも終始こんな感じの和訳です。

意味は辛うじて分かるものの、ぎこちなさが半端じゃないですね。

英語の宿題でこんな和訳したら先生に怒られそう。

まぁでも日本語が分かるスタッフがいなかったであろう環境のなか頑張ったんだろうなーというのは伝わってきます。

なのでこうやって日本語に対応してくれただけでもありがたいと思った方がいいのかもしれませんね。

・・・そうは思いませんか?(同調圧力)

捻りのない設定とストーリー

あるアイテムを使えばウォーキングデッドやワールドウォーZみたいなこともできる

設定やストーリーは特に捻りがありません

「とある研究所でウィルス研究をしていたらそれが蔓延してゾンビだらけになりました」という手垢に塗れた内容です。

ウィルスを研究していた理由も不老不死になるためというこれまたよくある感じ。

翻訳のせいなのもあるかもしれませんが、バイオっぽさ以外に心惹かれる要素はこれといってなかったなと。

あとこの手のサバイバルものにしては、主人公以外生存者ゼロでNPCがいないというのも味気ない上に寂しかったですね。

主人公も一切喋らないので全体的に孤独なストーリーでした。

敵の種類が・・・

拍子抜けだった部分。

このゲームなんと敵が2種類しか出てきません

道中のゾンビとラスボスのタイラントっぽい奴だけです。

なので戦闘は終始間延びしている感じで退屈&退屈でした。

ほとんどゾンビと戯れるだけですからね。

こいつら以外マジで何もいないとは思わんかった。

バイオをリスペクトするなら、ここはもっと頑張ってほしかったです。

あと、これは敵の種類とは関係ないですが、本作には微妙に配慮が行き届いていない部分もあり、こちらが装置や仕掛けを作動した時発生するちょっとしたムービーでは、周囲の時間が止まらないため敵が動き放題&攻撃し放題となっています。

一応こちらも動くことは可能なので、ムービーを見ながら「ゾンビはこちらを襲おうと近づき、主人公はとにかく距離を取る」というわけの分からない状況になることもあったりしました。

武器はハンドガンのみ

上述の通り、敵の数は2種類ですが武器の数はもっと少なく、使える武器はまさかまさかのハンドガン一丁のみです。

カスタムパーツで強化したものをカウントしても2種類しかありません。

ショットガンぐらいはあるだろうと思ってたらそれすらないのはマジかって思いましたね。

戦闘が面白くない最大の原因と言っていいかもしれない。

しかもなぜか本体とマガジンでアイテム枠を2枠割かないといけないという。

所持できるアイテムは6個までなのに嫌がらせかな?

あとハンドガンの何が辛いって、どう足掻いても多勢に無勢を強いられることなんですよね。

序盤はまだしも中盤以降はゾンビが所狭しと出てくる上に、武器の性質上単体処理しかできないので、思った以上にしんどかったです。

本家さながらにスルーしないとやってられませんでした。

そういう意味でも、実質ファストトラベルの仕様にはほんと救われたなと。

おわりに

以上、『Heaven Dust』のクリア後レビューでした。

インディーズ感全開のゲームですが、全体的にまとまってはいる作品です。

粗は多いもののこれといったバグもなく、決してつまらなくはなかったと思います。まぁ面白かったかと言われると答えに詰まりますが・・・

また、クリア時間はかかっても3時間以内に終わる上に価格も800円なので、物は試しで手を出してみるのもいいかもしれません。

セール時を狙えば400円切ってることもありますしね。

ちなみにこのゲーム、続編が出るらしくsteamでは体験版が既に配信されています。

海外では人気あったんですかね?

もし評判が良ければ手を出してみようかなと思います。

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